叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

けんかの起きる前はどうだったのか

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けんかの起きる前。

こころの目盛りは、いったいどこにあったのか。

10を満タンだとして。

子どもたちは、全員が、

「0とか1とか」

という。



え、そうかなあ。



「だって、メモリが10のところとかだったら、ちっとも気にならないもん」



そもそも、目盛りが10のところだったときって、これまでにそういう経験、あるの?


ほとんどの子が、

「うん、あるよ」

と、ふつうに言う。



これは、大人には少し衝撃だろう。

大人はどう頑張っても、5か、6かを維持するので精いっぱい。

あっという間に目減りする元気を、どうにかして維持したいのだが、

〇仕事のストレス
〇評価が気になる
〇締切が気になる
〇上司に叱られた
〇子どもが反抗する
〇同僚が病気になった
〇近所とのつきあい

等々・・・。

どんどんと、目盛りは下へ、下へとさがっていく。

目盛りが8や9だったのは、遠い10代、20代の頃。
はるか昔の、青春の思い出だ。

結婚すれば、目盛りが5あれば良い方で、
育児に疲れ、仕事に疲れ、人間関係に疲れ、

「とてもじゃないけど、目盛りが10なんて、虚構としか思えない」

という暮らしをしているのだから。

子どもが、いともたやすく、底抜けに明るい表情で、

「うん!今、目盛り最高!10だよ!」

なんていうのを聞くと、にわかには信じられず、

「嘘だ。ぜったい嘘・・・。10なんかになるわけがない。人生は重き荷を背負いて行くがごとし」

と、青ざめ、やつれた表情で、誰にも聞こえないようにつぶやくだけだ。



念のため、子どもたちに尋ねてみると、

「朝起きると、たいてい、10だよ」

という。


子どもというのは、なんとお手軽に、

目盛り10!

を、手に入れるのか。



そうして、朝の時間に仲の良い友達と、たっぷりおしゃべりして遊んだあとは、
こころの目盛りは、ちゃんと、10になっている。


その10の、最高レベルの、MAXご機嫌なときに、

友達が消しゴムでも落としたら、

拾ってあげたくなる。


目盛りが10あれば、

機嫌の悪そうな子が「バカ」と言ったって、

まったく平気。



逆に、

「だいじょうぶ?」

と、声をかけてあげたくなる。


だって、わたし、目盛り10だもの。

最高の気分!!

・・・て、わけ。


friends_hagemashi_boys