叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

【道徳授業】悪口を言われて

悪口を言われて、

「お前、おれを馬鹿にすんのか!」

と怒鳴る。



あまり、子どもにはない、どちらかというと大人にありがちな会話かと。

しかしたまーに、子どもにも、そういうことがある。

たぶん、本とかテレビとかの影響でしょう。

「お前、おれを馬鹿にすんのか!」

もしかしたら、おうちで、お父さんが言ってるのを聞いたのか、

お母さんが言ってるのを聞くのかもね。

こういう言い方や、セリフを放った後のキレぐあいとか。

どこかで学習してる、ということ。




昨日も、AくんとMくんの間で、そういうやりとりがありました。

Aくん、大泣き。

Mくんも、なにか理由があったらしく、

「だって、Aくんがバカなんだもん!」と。




そこで、みんなで話し合う。

するとですね。

ふだんから話し合っていることが、じわじわと堆肥のように効いているのか、

「えー、そんなの、影響されなきゃいいじゃん」

という子がいる!



シュミレーションをして、

A 「 ばーか 」

B 「なにィッ!こんちくしょう!!ばかとか言いやがってッ!おれを馬鹿にすんのか!」



これを、何人かのペアに、やってもらう。

俳優のレベルがいろいろとあるが、名演技だと、自然と拍手がでる。

いわゆる、キレ芸、というやつに近い。


「どう?言ってみた人?感想は?」

「なんか、言うと、いやになる」



B のセリフを放つと、いっきに心のエネルギーはまっさかさまに急降下する。

「言った後、5から1に下がった」

などと、いう。



「なんで下がっちまうんだろうねえ」

「ばかって言われたから」

「それで、なんで下がるんだろ?」



あーだこうだ、と20分ほど、みんな好き勝手にしゃべって、

「ばかって言われたら、下がるよねえ」

「言い方にもよるかな」

「顔の表情じゃないの。にこにこしながら言われても、あんまり下がらない」

「お前の心の中を下げてやる、という感じで、ばーか、というと、下がる」




あれこれとしゃべったあと、

「やっぱ、どうしたって下がる」

という子と、

「いや、べつに、下がらない」

という子に、意見が分かれた。



下がる子は、

「いや、馬鹿にされたんだし」

下がらない子は、

「だって、下がりたくないから」

「ばかって言われてもサ、にこにこしてさ、いいよ、ばかでも、って言ったら」




こうやって話し合って、とくに結論もなく、

ふうん、どうしてバカって言われて、いやな気持になるのかねえ、と、ハテナのまま。



当初、この話題の提供者であったAくんも、最後には、

「おれも、馬鹿って言われて、下げるの、やめよっかな~」

「なんで」

「だって、下げるの、いやだもの」

だって。

面白いのは、この話の発端をつくった、Mくんの方が、

「そうだよ。馬鹿って言っただけなんだから」

と、すました顔で言ったこと。


IMG_0363