「ハガネの女」アスペルガー毒にも薬にも
テレビ朝日のドラマ、「ハガネの女」シーズン2。
今晩、第二話が放映された。
扱われた題材が「アスペルガー」症候群ということで、興味津津。
結論。
毒にも薬にもなりませんでした。
感想は、
「・・・」
です。
自分でも、もっといろんな感想を思うのではないかと自分で自分に期待していたので、これは肩すかし、でした。ざんねん!
視聴者が、この放映によって、アスペルガーをどう理解するか。
この一点のみで、見ていましたが、結論は、
「あまりよくわからない」
というか、印象に残らなかったのでは・・・?
アスペルガー、という名称だけはハッキリと出ていたので、
「なんだそれは」
と思った方も多いと思う。
では、その説明はどんなふうだったかというと、
「他の人の気持ちが分からない障害」
ということをサラリとハガネ先生が言うだけ。
これだけでは、よくわからない・・・。
実際のドラマの中で、アスペルガーの子が周囲の子に多大な迷惑をかけているシーンがそもそも映らない。
見ていた人も、
「なんでこの子が、他の人の気持ちがわからないの? わかってるじゃん。」
と思ったと思う。
「気持ちが分からない障害」
というフレーズが、ドラマの展開とはあまり密接なつながりなく、ポンと出てきた印象で、
「は?」
という感じ。
視聴者代表として、どんな感想をもったか、嫁様に聞いたが、
「気持ちが分からないとかって、どの場面のこと?」
と言っていたので、よくわからなかったのだろう。
そもそも、アスペルガーの説明に、「気持ちが分からない障害」というのは疑問。
ドラマの中の子は、そのことでの困難を感じている子ではなさそうだったから、なんで的外れな説明をわざわざハガネ先生がしたのか・・・。
消火器の使用方法に関しての認知の仕方についてトラブルがあったのだから、そうした認知の独自性についての説明だったら勉強になったのに。
あるいは、なわとびができないのだから、身体的な感覚統合、共応動作の困難さや課題についての説明ならふさわしかった。
ハガネ先生は、アスペルガーの一般的な説明をしたかったのかもしれないが、「気持ちがわからない」は、登場人物のあの子にはあてはまらなかったのだし、なんでそんな説明をしたんだか、つじつまが合わないんだけど・・・
(きみ、背が小さいね、とかの、相手の気持ちを察しないで発言してしまう態度などは、ドラマではいっさい見られず、クラスメートもそのことを問題とは考えていないので・・・)
嫁様の印象をまとめると、
「アスペルガーの男の子は、おとなしくてとても聞きわけがよく、品がいい。人に迷惑をかけないと努力している。なわとびが下手。電車が好き。」
というものだった。
この程度なら、恐れていたことにはならなかったな、ということで、ホッとした。
と、ここまで書いて、要するに、このドラマではアスペルガーについてはほとんど何も語らなかったのだ、と気がついた。
ある意味、世間に対して小石くらいは、ポチャンと投げてくれるかと期待していたのに、期待が過剰であったようだ。
○黒板の三角定規その他は今日もそのまま貼られていたので、それが常態であろうと推測されたこと。
○保護者の意思を聞かずに「アスペルガー」と診断名を口にしてしまったので懲戒免職。
○子どもの在籍に関してクラスメートが決定権を持つというありえない事態。
○ハガネ先生の学校には、特別支援学級が存在しないこと。
○ハガネ先生が体育の時間に赤白帽子をかぶっていたこと。
など、いくつかのどうにも気になって止まない点はドラマだから、と眼をつぶるとして
アスペルガーの子がかかえている不安
ということについては、ほとんど触れられなかったので・・・
なんだか、
味のしないガムを噛み続けているような1時間
でした。