叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

先生!N子がうるさい!




N子は私語のとまらない子。

叱っても注意しても、私語のくせがなかなか抜けない。(本当の癖になってしまっている)
また、悪いとも思っていないふしがある。
なぜ、わたしがしゃべりたいときにしゃべって悪いのか、という風。
注意したこともあったが、

「なんでこんな授業受けなきゃいかんのか」

という感じで、なんとも指導のむずかしい、めんどうな子であった。


さて、そういうN子に対して、まわりも非常に冷たい。
先生!N子がうるさい!!

すると、N子はものすごくふてくされた顔をして、ほんのひとにぎりの、自分に調子をあわせてくれる仲の良い女子に、こそこそ、としゃべり、男子をにらみつける。

教室の中に、火花が毎時間、散っている、という感じであった。


さて、この教室に一番必要なものは、いったいなんであろうか。

「安心感」?



人間関係を構築し直すために、クラス会議をした。
ところが、クラス会議が成り立たない。
発言は、トーキングスティックを持っている者に限る、としたルールがいつまでたっても、守られない。
自分のきらいな女子、きらいな男子の番になると、あきらかに発言を妨害している。
それに、売られたケンカは買うぞ、といきりたつ双方。

教師に一番必要なスキルは、けんかの仲裁スキルだ、という気がする。

学校は勉強をするところ。
学校は、なかよくなるところ。
授業は、きくもの。
教室は、学習しようとする者のためにある場。
教室では、休み時間や自宅ではないので、別人になりなさい。

口がすっぱくなるほど、言って聞かせるが、砂漠に水をまくようなもの。


仲の悪いのって、本当に不幸だなあ、としみじみ、思う。
学習に身がはいるわけもなく、テストも満足に解答できず、クラス中が不満そうに日々が過ぎていく。


ほんとうに、砂金をさがすようなもので、
クラスにほんのひとつぶ、見つかるような、ハッとする出来事、
消しゴムをひろってくれたとか、そんなものでも・・・

それを、100万倍に広げて、感心してみせる。

それのくりかえし。

淡々と・・・。