叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

中国浙江省の電車事故 日本とは設計思想がちがう


中国で電車の衝突事故がありました。
ご冥福をお祈りいたします。

ところで日本の高速鉄道、新幹線のシステムは、鉄道の設計思想がまったく世界の標準と異なっているので、こうした衝突事故は起こり得ないのです。

今、日本が輸出すべきは、ハードよりも、こうしたソフト(設計思想)なのではないか?と思います。

日本の新幹線には踏み切りがありません。
また、新幹線の線路区域には、厳重に立ち入りが制限されていて、国民もそれを守っています。
さらに、コーナーごとに制限速度がきまっているわけではなく、中央から
「いま、何キロの速度で走れ」
と指令が刻々と伝わりますから、つねにその指示された速度で列車は運行します。そのため、同じ区間に列車が入り込むことがあり得ないのです。
CTC(列車集中制御装置)からの指令は、運転席にじかに表示されます。中国ではこれを採用しませんでした。
たとえ停電で車両の制御装置がこわれても、CTCが機能していれば運転手がなにをするべきかを知り、ふせげたはずの事故なのでしたが・・・。

日本では、起こりえない高速鉄道の事故です。

新幹線はぶつかることができないシステムで動いています。
そのため、新幹線は「頑丈」ではありません。
重たい鋼鉄を何枚も使わなくても済みます。
結果、軽量化、省エネ化、快適性が確保されて・・・

頑丈じゃないからこそ、新幹線は活きるのです。
つまり、新幹線のハードは、ソフトがあって、生きるのです。

日本は中国に、東北新幹線「はやて」と同じ車両技術を提供したそうですが、その軽量化した車両が、省エネ化した車両が、ぶつかってこなごなになってしまったら、ひどい事故になるに決まっています。

なんで、ソフト(設計思想)を言わなかったんだろう。
ハードを売ろうとするときに、ソフトも輸出する、と両方売ることを考えなくてはいけないでしょう。

中国は、諸外国からいいとこどり、をしたつもりでも、鉄道を生かす肝(キモ)の部分を日本から輸入しそこなって、とても残念なことになりました。

日本は、もうハードはいいんじゃないの?
洗練された、日本ならではのソフトを売ろうよ。
(で、ソフトが評価されたら、そのソフトに見合ったハードも日本にしかないんだから、ぜったいに後から注文がくるって思うのですが・・・)

4年生で発電所見学が予定されていて、遠足ついでにダムと発電所も見てくるらしいです。
そこで、水力発電の技術も知ることになりますが、ここでもハードとソフトが両面、あるのでしょう。ソフトこそ、学ぶ対象にしたいものです。

(今春からの小学校新学習指導要領で、エネルギー教育の内容が広がることなどを受け、資源エネルギー庁が公益財団法人日本生産性本部エネルギー環境教育情報センターに委託、小学校用の教材が配布されています。ここにも、ハードの説明が豊富にされていますが、どんな人たちが、どんな仕事をしているのか、どんな設計思想があるのか、核燃料のトータルな管理を示す設計思想は見当たりません。ここにもソフト不足が)