叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

WISC-IVをみせてもらいました


WISC-IV 知能検査のキットを、ようやく見せてもらいました。
近所の大きな小学校で、購入したそうです。
これからは、こういうものは公費でじゃんじゃんと買っていただきたいものです。そして、担任が、毎日のようにさわって研修を積みながら、自分のクラスの発達障害児をかたはしから検査してほしいと思います。

でないとかわいそうなのは子どもです。

昨年、わがクラスは3人の児童がWISCを受けました。
ところが、わたしがそのWISCがなんたるかをしっかりと理解していなかったので、検査者となっていただいた養護学校の先生から所見を聞き、説明を受けながらも、そのこまやかなところはさっぱりわからなかった。

動作性と言語性、聴覚と視覚の優位性などは理解できたが、子どもの実際のシートを見ながら、ここがこうで、というのはよくわからなかった。


昨年は、心の理論の検査やその他、バッテリを組めそうな下位検査もふくめて、PDD(広汎性発達障害)の疑われる児童についてはさらなる検査をしていただいたが、(これは病院の先生に)
やはり、よくわからなかった。病院の先生も、心理屋さんのいうことも、なんとなーく、であった。

現場の教員がWISCを実施するのは負担であろうが、子どものことを第一に考えたら、日々、教育にあたる担任が行うのが一番だ。それが負担なのであれば、教師の負担を減らす環境設定の努力が必要なのであって、

「それは現場には負担だから、心理屋さんにまかせておけばいい」

というのは本末転倒だと思う。目的は、日々の子どもの教育でしょう?


ともかくも、先日、ようやく手に取ってみた検査キット。
シートが洗練されている、と説明を受け、なるほどと思いました。
この数年で、発達障害をとりまく学会の定義も議論が進み、PDDもADHDもLDも、ひとくくりにして 自閉症スペクトラムとよぶことになりそうですが、検査キットもそれに準じて(というかWISCの米国の実践が先をいってるのか)ワーキングメモリの指標とか、処理速度の指標とか、とても見やすくなっていると感じました。

現場の教師にとって、その児童のワーキングメモリの力がどの程度か、ということは非常に大きなヒントになります。
その児童には、長い指示はぜったいに出せない、クラス全体にも長い指示は出せなくなります。そのことがはっきりするだけでも、教師の行動はがらりと変わらざるを得ないのですから。

ワーキングメモリだけの簡易版検査キットが出て、4月の最初に必ず行うのが定例となる、ということに、近い将来なるのではないかな。勝手な予想ですが。(もちろんそんなことをWISCのPearsonが言うはずないですが、そういう需要は多いでしょうね・・・というか全国の教師がほぼ全員、それをのぞむ時代がくるのではないか。そうしたら国が教科書と同じようにキットを無償で配布してほしい。)