叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

はじめての胃カメラ


胃カメラ初体験 こんなに複雑な壁なの?

ストレスか。

6月ごろから、腹部が痛むことが多くなった。
食べた後にも、すぐに食べたものが胃からなくならないことがあった。

夜中、胃がいたくなって、ふとんの中でもだえ苦しむことも。

こんなに痛む体験はこれまでない。
さっそく受診した。
まず、腸が痛むのか、胃が痛むのかを切り分けた。
障害の場所を特定する。
おそらく、胃だろう、ということになった。

胃カメラ、のみますか?」

こんなチャンスはめったにない、と思い、興味もあったので

「おねがいします!」

と即答しておいた。


さて、医者からもらった薬をのみながら、胃カメラの日まですごしていると、案外と落ち着いてきて、薬が効いたのかな、と思う。

周囲の近所のおじさんや、友達や家族はみんな、

「ストレスじゃないの」

と言う。

しかし、ストレスは感じていないような・・・。


近所のおじさんが、

「いやあ、自分ではもう麻痺してて、わからんのよ。そのくらいストレスが長い間、あんたをむしばんどったってこと」

と断言して、気の毒そうな顔で私を見る。

「先生って職業も、たいへんですわなあ・・・」

同情してもらってる??




ストレスを言うのなら、転職する前の、SE(システムエンジニア)をやってたころに、ネットワークが断続的に切れてしまう障害の対応に追われていたころの方が、MAXだったように思う。
また、教師になってからの最初の一年目、なにがなにやらさっぱり分からず、学校の仕組みを理解しないまま、教室での授業に突入していっていた、あの日々の方がもっとたいへんだった。

ストレスじゃないんじゃないか・・・と思っている。

「学年主任が初めてだからじゃないの」

隣の席の、5年生の先生がそうやって話しかけてくる。

職員室でも、わたしの胃カメラが話のネタになってしまっていて、いじられまくっている。
夏休みの職員室で、ちょっとほっとした空気が流れているので、この程度のことがみんなの話題になるのである。休みならでは、という感じ。

さて、胃カメラを飲みました。

最初、鼻の通りを良くする薬を入れて、しばらく待つ。
その間に、担当の美人看護婦さんが、てきぱきといろいろな検査内容を教えてくださるが、なんとも手際がよく、かつ失礼がない。上品で品格があり、すべての動きに無駄がない感じがした。

さて、その後、さらに鼻と喉の麻酔薬をたらしこみ、これが激痛であった。
ウォッカをそのまま流しこんだようなヒリヒリ感が、鼻の奥全体にひろがり、ちょっと目を「パチパチ」させないと我慢できぬ。

その後、ようやく先生が現れました。
先生が細長い透明な管を鼻にさしこみ、

「うん、右の方が入りやすいな」

とひとりごとを言って、

「右にします。通りが良さそうだから」

と、やわらかいストローのような管を、私の鼻に入れてしまった。
それは薬がぬってあるらしく、表面がべとべとになっているそのストローが、仰向けに寝ている私の鼻から天井に向かってのびているのを見ていると、自分がピノキオになったような心持ちがした。

さて、カメラのスイッチが入り、いざ潜入。

先生が、

「どうします?中、見ますか?」

と尋ねてくれる。

半分くらいの人は、自分の体の内部を見たがらないそうだ。

しかし、私は速攻で返事。

「ぜったい見ます」


先生が笑いながら、スイッチをONにすると、横になった私の顔面の前にあった小モニターに、なにかが映った。

黒い林。
これは、鼻毛である。

「おお、ここからスタートか!!」

小さなストローが、徐々にわたしの身体の中に入っていく。

(後半に続く)