叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

どうぶつしょうぎで子どもの新たな一面を見つける


クラスの人間関係が固定しがち。
保育園からほとんど一緒の関係が続いている。
このクラスは、なんと3年生まで、同じ学級であることが予定されている。

前の校長先生の主義だったらしく、できるだけ同じ担任がもつ方がいい、ということで、1~3年、4年~6年。小学校生活6年間の中で、2人しか先生がいないことになる。

それはそれでいい面もあるようなので、それでいくわけなのですが、これだけ同じメンバー固定なわけで、何かの手を打っておいた方がいい。
でないと、徐々に徐々に、○○くんはできる、△△さんは苦手なことがおおい、というふうに、わりとはっきりと人間観が固定してしまうから。

良い面、伸びている面が学級の中で目立ってきている分はいい。
○○くんって、足が速いんだよ、というのはいい。

それだけならいいのだが、なんとなく人間の全体が評価されてしまっていくのはいけない。
足の速さだけで、人間の序列らしきものができていくのはいくない。

いろいろな指標があるべきだ。その子を理解するには、さまざまな面を引き出してやってこそ、理解が深まる。
多面性が尊重されていく、もっと知らない○○くんのよさ、がある、資質がある、というふうに見ていくためにも。

そこで、しかけていく。

持ち出したのは、どうぶつしょうぎ
知らなかったけど、数年前からすでに大ブームだったらしい?

夏休みに息子にせがまれて入ったトイザラスの店舗で見つけて、衝動買いしてみました。
これが、イラストもかっこいいし、きれいだし、COOL!
いっぺんに息子も理解し、1年生の息子と何度もやってもりあがることができました。
かんたんで、5分以内に終わることが多い。
これがいい。何度もやり直せるしね。

クラスに、2学期、持ち込む予定。

当然、廊下を走らないだとか、宿題をしっかりやるだとか、姿勢がいい子だけが、さわれる、というふうにしておく。

「昨日、廊下を走ったことで一度も注意されていない子だけが、遊べます。」

最初から宣言するから、次の時間に

「ぼくちゃんと歩いてるもんね」

とやんちゃくんも参加しているのが目に浮かぶ。

「ぜんぜんおもしろくもなんともないわ!」

と吐き捨てるように言う子もいるだろうが、否定系アクションで注意を惹きたがっているのだから、そっとしておく。
ああそう、かわいそうに。と、瞬間に思う程度。0.5秒しか注意関心を向けない。とりあわないし、注意も向けない。視線も向けない。
「否定系アクションは意味ないよ」と言外にメッセージを送る。

ストロークは肯定系のみ。

そのかわり、しょうぎをむっちゃ楽しくやる。
ほめる。
妙な動きをしている子にも、ダメ、とか言わない。
○○ちゃんのおかげで、見ている子もすごく勉強になったよ。強くなれるよ。
一度動かしてみて、だんだんわかっていくんだよ。
くやしい思いをするから、強くなるんだよ。
思わない人は、あまり強くなれないかもしれないけど、負けたからじゃあどうしたらよかったのか、って、考える力がつくんだよ。

負けても、終わったら、ちゃんとありがとうございました、と言える姿を見たら、100倍ほめる。
クラスを大切にする姿だ、と大いに感動する。
強い子にストロークをかけるのは当然だが、そういう姿にこそ、反応していく。