叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

日記の書きだし


日記を、週に2日、書かせている。
火曜日と金曜日。
火曜日は、学校であったこと。授業や休み時間、清掃、給食、帰り道、なんでもいい。
金曜日は、土日に家で起きた出来事。

数年前、高学年を担任していたころは、日記に毎日、取り組んだこともある。
正しくは、自学ノート。
イメージは、恩師の岩下修先生の実践だ。
自分で自分の決めた学習をしてくるのは、高学年の自分にとっては大変面白かった。クラス中が熱中していた。
ただしこれは、高学年向きと思う。低学年の今は、プリントや漢字を毎日決まって習慣にしてやってくる方がいい。(なにがいいって、保護者に受けがいい)

毎日、算数のプリント1枚。
さらに、漢字を1ページ。(漢字スキルのプレテスト風に)
そして、火曜日と金曜日は、日記。
これが、基本の宿題パターンだ。

さて、日記だ。
低学年だから、とにかくていねいに書いてあればほめる、といった具合で、ほめる材料にしている。
ただ、それだけでは面白くなくなってきて、「高みを目指す」という児童もでてきた。
日記に対して欲のある、先行集団だ。

その子たちに対して、夏くらいから、ある指示を出してきた。
「台詞をたくさん書いてきなさい」

これで、事実の羅列、というパターンから、次第に小説風、物語風の日記へと、変貌していく。

○○しました。そして、△△しました。そして、××しました・・・。

こういった日記が、変貌する。

「○○!」とお母さんが言ったので、ぼくは△△だな、と思いました。でもそのあとで、弟が××していたので、ぼくはおどろいてお母さんに急いで、「○○!」と教えてあげました。

台詞が入るだけで臨場感が増してくる。



これを、すかさず、朝の時間に少しずつ、クラス全体に紹介して、

「○○くん、うまいなあ」

とみんなが思うように仕向けて行った。

なかでも上手なYくんに、次の指示を出した。
これが10月のはじめ。

「日記の書きだしを、台詞からはじめてごらん」

素直なYくんが、それを忠実に実践してくれる。

「『おやつあるよ』とお母さんが言いました。」

こんな書き出しを書いてくるようになった。
これをまた、クラス全体に紹介した。

音や、台詞で、日記を書き始めて御覧。

「ドン!と音がして、妹が大きなおもちゃを運んできました。」

こんな感じ、と。



さあて、明日、どんな日記を見ることができるか。
数人でも、上手にやってこれたら、間髪をいれず、朝紹介しよう、と思う。