叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

きみはいいね を いかに伝えるか


セラピーではなく、必要なのはサポート。
セラピーとサポートはちがう。
それを他の人に説明できるくらい、わかっているかどうか。
どうだろう。

うつ等、カウンセリングやセラピーを必要とする子は、知的障害・情緒障害をかかえる子どもの中のたった2割らしい。その他の8割は、セラピー対象なのではなく、サポートニーズの子、だという。
つまり、うつなどの病理なのではなく、発達障害とよばれる、いわゆる自閉症的傾向の子がほとんど、ということ。

しかし、手法としてはカウンセリングやセラピーの手段が有名なので、そっちを思い浮かべて実践してしまう大人の方が多いのだ、と嘆いていらした。
先日受講した、県の教育セミナーでのことだ。

なるほど、心のケアが必要な子には、カウンセリングやセラピーが有効であることは間違いない。
しかし、自閉症にはセラピーではないのだ。
つまり、受容的な受け答えや励ましは、不要、ということ。
これは、分かっているようで、案外と整理できていなかった部分。

セラピーでは、こう答える。
たとえば、
「ぼく、みんなとちがうからダメなんだ」

セラピスト、カウンセリングの場では、これも受容する。
つまり、
「みんなと同じようにできないから、それが苦しいんだね」

あたたかいまなざしで、こういって受けてあげる。
これは、ぜったいにやっちゃいけないんだって。
自閉症児には。とくに、決めつけこだわりの強い子には!

なんと。


こうやって心境を吐露するアスペルガーの高学年がいたら、ぜったいに言いそうだ。
「そうかー、ダメって思ってるんだね。苦しいんだなあ」

でも、これはぜったいダメだって。
その、講座の先生のおっしゃるには。
つまり、受容すると、こだわりが強くなるだけ。
こだわりを強くする、ということには加担しないこと。
つまり、受容する、という考えを捨てなければならない。


どうするか。

「自分と他人の違いが分かるのは、すばらしいことだよ」

と諭すんだって。

当事者のこだわりに興味を持たない、加担しない、こだわらない。
できれば無視しつつ、その子にプラスのフィードバックを与えてあげること。でなければ、肯定的な関係を保つことができないし、のぞましい社会性を伸ばすことができないから。

なるほど、と思いました。たまには県のセミナーでも、勉強になるな、とうれしくなりました。

と同時に、こういったフィードバックが瞬時にできるようになるには、相当の修業がいるし、こちらにその視点が常にないといけない。教師が意識していないといけない、と思ったのでした。