マット運動の評価 (低学年)
2学期の体育の評価。
マット運動で評価する。
本当は、「跳び箱、鉄棒、マット」の3つの評価をする欄になっていた。
2学期はマットのみ。
さて、マット運動の何で評価するか。
たった数時間しかやらない。
何をしようか。
後転にしよう、と思った。
前転は1年生でやっている、と聞いたからだ。
また、以前3年生を担任したときに、すでに体重や体型が課題になっていて、できなくなっていた子がいたからだ。自分の体形のおかげでやれない、と決めている子にその気を起させるのが大変だった。
それで、今、2年生のうちに、前転のみならず、後転を習得させたい、と思った。
評価するのは、体育館の半分にマットをランダムに敷き、その端っこに敷いた一枚で行う。
そうすると、目の前の子を評価しながら、全体を見ることができる。
全員を集めて、先生の前でやってごらん、とやらせながら、
「合格した子から、あとはのこりのマット全部で一回ずつ練習していなさい」
と、どんどんやらせる。
座らせておくと、自分は終わった、という安心感から遊びだすからだ。
前転の数種類(じゃんけんのパー、グー、チョキの手をした前転など)
ゆりかご(足を天井に向けて伸ばさせると勢いが増すし、最後に立ちあがらせると足を引っこめなくてはならないので、足を伸ばしたり縮めたりすることになり、これが今後の身体感覚に応用として効いてくる)
などで練習をさせて、いよいよ本番。
この本番に至る前に、後転のテクニカルポイントをいくつも示している。
1)両掌を背中でそろえてうしろに向けておくこと(まるで甲がぺたっと背中にくっつくくらい)
2)わきをひらかずしめておくこと
3)手のひらが地面につくやいなや、手のひらでグッとマットをつかむこと
さらに、まっすぐに後転するのでなく、肩でする後転、言いかえれば、途中まで後転風にころがり、その直後、側面にころがるような「後転もどき」もやらせる。
これならできる、と言う子は、ほとんど、正確な後転もできる。
おそらく、これで後転の感覚をつかむのだろう。
やってみせて、最初は40人いるうちの、30人しかできない。
本当にきれいにまわる子は、その中の7,8人程度。
こんなものか。
でも、テクニカルポイントを確認したり、マットとマットの間に跳び箱の踏み台を差し入れて、疑似坂道をつくってやらせるなど、だんだんに慣れて行き、最終のテストでは2名をのこして、できるようになった。
あと、2名。
くじけそうになっている。
あとはこの子たちの、心が折れないで、やろう、という気になっていくあたりをやる。