叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

先生にほめられたことで一番うれしかった言葉 保護者


春休みです。
といっても、まだ卒業したばかりだから、のんきに忘れ物を取りに来たり、遊びに来たりする子もいて、なんだか華やいでいます。

元・わたしの学級の子が、忘れ物を取りに来て、教室をがさごそやっていました。
その間に、ついてきたお母さんと、ちょっとだけ話をしていました。

「先生にほめられたので、何度も家で言ってた言葉があるんですよ」


それはなにかというと、

「○○ちゃんスマイル」

だそうです。

マラソン選手のQちゃんスマイル、というのがあるから、ただ単にあれをマネしただけなのですが、

その「○○ちゃんスマイル」という言い方が、その子には新鮮だったようです。
(そうか、シドニー五輪から、もう10年以上もたってるから、高橋尚子選手のこと知らないんだ・・・)


なにかにつけて、

「お、○○ちゃんスマイル出たね。いいなあ教室が明るくなるよ」

とか、
写真をうつすたびに、

「あ、○○ちゃんスマイル!」

と言ってたものだから、すっかりクラスに定着したのだった。


笑顔のいい子なんだけど、自信のない子。
でも勉強はできて、プライドは高い子。
いろんなことが心配でならない、心配症の子。

なんとなしに、線が細くて、かよわいイメージの子でした。
ちょっと失敗すると、サーっと額に縦線が入って、ブルーになりそうな、ちょっと気の抜けない子でした。


なので、学校できみは笑顔でいるよ、すてきだよ、という意味合いを込めて、すりこんでいきたいと思ったのが最初だったか。


そう呼ばれるのが嫌そうなら、呼ばれていやだったらすぐ止めよう、と思っていたが気に入っていた様子。そのまま続けていたら、結局1年間、いろんなところで

「○○ちゃんスマイル!」

の呼称が活躍して、本人は実はそれが一番うれしかった、ということでした。


来年は、これに加えて、

「お、○○くんボイス!」(声のいい子に)
「あ!○○ちゃんウォーク!」(きちんと廊下歩行する子に)
「すごい!○○くんマジック!」(算数の解けた子に)

というのをはやらせてみようかなあ。