叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

職員室の さみしいお別れ


お世話になった先生方が、最後の出勤日を終えられて、あいさつをされ、帰って行かれる。

つい最近まで、つい先ほどまで、
いっしょに話し、笑い、分からない事を聞いたり、しゃべったりしていたのに。


もう、これで会えなくなることが信じられない気持ちになる。

「新しい学校でも、どうぞお元気で」

手荷物を持ち、靴をはかれるのを見ると、本当にこれでお別れ、という感じ。


いっしょに見送りに出た年配の先生が、

「もう1年、いっしょにやりたかったねえ」

「本当にね」

ああ、同じように思うのは、自分だけではなかったのだ。

「荷物が多かったら、いっしょに運べたのに」

せめて、駐車場まで、駐車場の車までもいっしょについていきたい気になる。

「いやあ、さっき運んじゃったからね」

「ここでいいよ。みなさん、ありがとう。さようなら」


さみしい気持ちもあるけど、すぐ数日後には、新しい勤務場所での、緊張した毎日が始まる。
それが分かるから、泣いて感傷にひたる場合ではない、と思っている。
お互いに。

それでも、車が見えなくなると、

「ああ、あの先生と、もっとこんな話をしておけばよかった」


そう思うものですねえ。

だって、じっくりと話し合う機会が、ほとんどなかったのだ。
ないのだ。
職場の飲み会だって、しゃべることがたくさんありすぎて、本当には時間が足りないのだ。

今更。

そういうことに気づきます。

すると、日々の一回の、一度の会話が、実に大事なことだったのだなあ、と思う。

心おきなく、悔いのないように、会話してきたかなあ。

日々に忙殺される。
そんな心境のままで、尊敬する人と、本当には話をしないままで、すごしてきてしまったのだとしたら、なんともったいないことよ。
今になって、その方の本当の価値が、大きく、大きく見えてくることの不思議。



勤務校を去られる先生たち、
(あんな人になりたいなあ)
と思える人ばかりでしたねえ。



別れがあるから、出会いがある。

数日後。
すてきな方との出会いが、待っている。
そして、楽しい子どもたちとの出会いも、待っている。

春は、いい季節だなあ。