津波てんでんこ の授業 その2 テキスト版
1)家ぞく ぜんいんが たすかるために
じしんとつなみから まず自分を守る
2)釜石(かまいし)市
航空地図
3)昔から、つなみがよく
おそってくる土地だった。
航空地図詳細
4)2011年 3月 11日 午後 2時 46分。
巨大な 地震(じしん)が発生。
そのあと、 津波(つなみ)がおそってきた。
航空地図詳細
5)釜石小学校のある場所。
航空地図さらなる詳細版+地図記号を加えた地図
6)釜石市内の小中学生2923人のうち、
死者と行方不明者は 人。
発問: 何人だと思いますか。
指示:おとなりさんと相談してごらんなさい。
指示:意見をどうぞ。○○さん。
(1000人くらいだと思います)
指示:○○さんと同じくらいだと思う人。
指示:○○さんの1000人より多い。(挙手をうながす)
指示:○○さんの1000人より少ない。(挙手をうながす)
7)釜石市内の小中学生2923人のうち、
死者と行方不明者は 5人。
2918人は、生きのこることができた。
指示:5人は少ないですね。体調が悪くて学校を欠席していた子もふくまれていました。全員が助かったのではなかった。本当に残念なことです。でも多くの子が助かって、命を救うことができました。
発問:なんで、釜石市はこれだけの子どもが助かったのでしょう。
指示:ノートに①と書いて、自分の考えを書きなさい。
指示:隣の人や同じ班の人とも相談をして、意見交換をしましょう。
指示:意見発表をしてください。
(ひごろからくんれんをしていた)
(とくべつなくんれんをしていた)
(つなみのことをべんきょうしていた)
8)同じようなことが
おきたとき、
自分はだいじょうぶだろうか。
指示:どう思いますか。
(一人にだけ、当てる)
(だいじょうぶじゃないかもしれない)
説明:釜石の子どもたちが考えていたこと、行動したことを整理します。
9)① 子どもがにげるのを
見て、大人もにげた。
10)「おじいちゃん、にげようよ!」
「なあに、だいじょうぶさ。さっき
ラジオで、つなみは3m と 言ってたぞ」
「でも、わからないよ。しぜんは
どうなるか、わからないんだよ!」
発問:実は、おうちに帰宅していた低学年の子の話です。
おうちに、おじいちゃんがいたそうです。
でも、おじいちゃんはラジオを聞いて、津波の高さが3m、というのを言うのです。だから、だいじょうぶだよ、といって、逃げようとしてません。
自分だったら、このあと、どうしますか?
指示:ノートに②と書いて、自分だったらどうするか、と書いていきなさい。
指示:となりどうしで、意見交換。
指示:同じ班同士で、見せあって意見交換をします。
指示:発表してください。(挙手)
A(おじいちゃんをなんとか説得する)
B(おじいちゃんをほっておいて、きけんだから逃げる)
Aさんのように、なんとか説得する、という人。(挙手:多い)
Bさんのように、自分だけでも逃げる、という人。(挙手:2人だけ)
発問:ねえ、Bさん。Aさんたちの考えを、どう思う?
(説得したいけど、もう時間が無いかも)
発問:ねえ、Aさん。Bさんたちの考えを、どう思う?
(一人だけで逃げるわけにはいかない)
説明:じつは、釜石の子は、おじいちゃんに逃げよう、と言って、玄関で靴を履いて、大きな声で「ぼくは逃げるから、きっと来てね」とおじいちゃんに言って、自分だけさっと走って逃げたのです。
説明:でも、それをみて、おじいちゃんがわれにかえって、じゃあそんなに言うなら、一人で行くとあぶない、いっしょに行ってやる、といって、おじいちゃんも靴を履いて、玄関から外に出て、いっしょに逃げてくれたのです。
(安堵のため息)
説明:それで、子どもが逃げると、その姿を見て、大人が逃げる、というケースがこの津波の時、釜石では非常に多かったのだそうです。
11)② あの子なら、きっと
だいじょうぶ。
ちゃんと自分で
安全な場所ににげてる。
説明:次は、お母さんの気持ちになってもらいます。
地震があったのは、まだ学校のある時間帯でした。
あるお母さんは、弟くんを迎えに、さいしょに保育園へ
行きました。でも、道路もゆれて、ブロック塀もこわいし、
余震もあるし、自動車がうまく運転できなくて、時間がかかりました。
保育園で弟くんを抱きかかえて、お母さんは迷ったのです。
このまま小学校へ迎えに行くかどうか。
12)おかあさんはどうしたか。
かろうじて保育園に行った。
そのあと、小学校へは・・・
発問:お母さんは、迎えに行ったでしょうか。
指示:ノートに③と書いて、自分の考えを書きなさい。
指示:となりと相談。
指示:班で相談。
指示:発表どうぞ。
(迎えに行った)
(避難所に行った)
説明:お母さんは、そのまま高い場所に逃げました。
指示:感想をどうぞ。
(なんでだろう)
(津波がくることを知っていたから、仕方がない)
13)「あの子ならきっとだいじょうぶ」
行かなかった。
そのあと、すぐに津波がきた。
もし、小学校へ行っていたら・・・
説明:実は、その子は、いつも、お母さんに言ってたのです。
「ねえ、おかあさん。ぼくは地震のとき、すぐに自分で逃げるからね。お母さんたちは自分で逃げてね」
14)子どもが、
自分の力で
にげてくれたので
多くの人がたすかった。
15)自分の身は自分で守れ、みたいなことをずっと言われていたんで・・・
16)お父さんやお母さんのことを考えないで、自分ひとりでも生き延びろって言われていた
説明:こうやって、一人でも逃げよう、というのを、土地の言葉で
「津波てんでんこ」というのです。
言ってみよう。覚えてね。
(つなみてんでんこ)
津波の時は、家族がてんでんばらばらでもいい。
ともかく逃げろ、という意味です。
17)学校の帰り道でのひなんくんれん
説明:釜石小学校の避難訓練の様子です。
高学年や中学生の子は、年下の子たちの手をひいて、こっちだよ、といって一緒に逃げているのです。
こういうことも、ふだんから、訓練をしていたそうです。
18)つなみと「ふつうのなみ」のちがい~ビデオ映像~
指示:感想をどうぞ。
(ぜんぜん、ちがうものだ)
19)明治29年
(今から116年前)
明治三陸地震では
ほとんど揺れなかったのに、
38mの大津波がきて
死んだ人が20000人いました。
発問:地震が小さかったら、津波は起こらないから安心ですか。
(ちがう)
20)「ここより下に、家を建てるな」
21)旅行先でつなみに
あった、イギリス人。
2004年12月26日
タイで津波!
22)死んだ人が
220000人。
ところがある場所では、
その辺り一帯の人たちが、ぶじにひなんできたのです。
23)スミスさん、小学校4年。
学校の授業で、
「つなみ」を勉強していた。
地震があり、海をみると、
急に、あたりの水が
なくなりはじめていた。
説明:イギリスの女の子です。
イギリスは、地震がとっても少ない国です。
一生の間、ちっとも地震なんて知らないで過ごした、という人だっています。
つなみ、という言葉も、みんなほとんど知りません。
だって、イギリスに津波なんて、ほとんどないからです。
でも、そのイギリスの小学生が、「つなみ」を勉強していたのです。
24)「おかあさん、にげよう!」
お母さんはつなみを
知らなかった。
25)「海の様子がへんだぞ」
でも、かんこう客はにげない。
スミスさんは、お母さんに
地震が大きな波をおこす
ことを説明した。
26)「そうね、あなたが言うなら」
お母さんが逃げようとしてくれた。そしてにげる姿を
見ていたほかの人に、逃げよう、と言ってくれた。
(かしこいお母さんだ)
27)旅行していて、つなみに出会うこともある。
発問:津波から無事に命を守れる人、安心できる人になるために、なにが大事ですか。
(つなみのことをよくしること)
(勇気を出して、自分から一人でも逃げる)
(おうちの人と、つなみの起きる前から、きちんと話しておく)
(どこに逃げるか、場所を相談しておく)
(地震が小さくても、ゆだんしないでにげる)
指示:今日の勉強の感想や、自分でやっていこうと決めたことがあれば、ノートに書きなさい。
じしんとつなみから まず自分を守る
2)釜石(かまいし)市
航空地図
3)昔から、つなみがよく
おそってくる土地だった。
航空地図詳細
4)2011年 3月 11日 午後 2時 46分。
巨大な 地震(じしん)が発生。
そのあと、 津波(つなみ)がおそってきた。
航空地図詳細
5)釜石小学校のある場所。
航空地図さらなる詳細版+地図記号を加えた地図
6)釜石市内の小中学生2923人のうち、
死者と行方不明者は 人。
発問: 何人だと思いますか。
指示:おとなりさんと相談してごらんなさい。
指示:意見をどうぞ。○○さん。
(1000人くらいだと思います)
指示:○○さんと同じくらいだと思う人。
指示:○○さんの1000人より多い。(挙手をうながす)
指示:○○さんの1000人より少ない。(挙手をうながす)
7)釜石市内の小中学生2923人のうち、
死者と行方不明者は 5人。
2918人は、生きのこることができた。
指示:5人は少ないですね。体調が悪くて学校を欠席していた子もふくまれていました。全員が助かったのではなかった。本当に残念なことです。でも多くの子が助かって、命を救うことができました。
発問:なんで、釜石市はこれだけの子どもが助かったのでしょう。
指示:ノートに①と書いて、自分の考えを書きなさい。
指示:隣の人や同じ班の人とも相談をして、意見交換をしましょう。
指示:意見発表をしてください。
(ひごろからくんれんをしていた)
(とくべつなくんれんをしていた)
(つなみのことをべんきょうしていた)
8)同じようなことが
おきたとき、
自分はだいじょうぶだろうか。
指示:どう思いますか。
(一人にだけ、当てる)
(だいじょうぶじゃないかもしれない)
説明:釜石の子どもたちが考えていたこと、行動したことを整理します。
9)① 子どもがにげるのを
見て、大人もにげた。
10)「おじいちゃん、にげようよ!」
「なあに、だいじょうぶさ。さっき
ラジオで、つなみは3m と 言ってたぞ」
「でも、わからないよ。しぜんは
どうなるか、わからないんだよ!」
発問:実は、おうちに帰宅していた低学年の子の話です。
おうちに、おじいちゃんがいたそうです。
でも、おじいちゃんはラジオを聞いて、津波の高さが3m、というのを言うのです。だから、だいじょうぶだよ、といって、逃げようとしてません。
自分だったら、このあと、どうしますか?
指示:ノートに②と書いて、自分だったらどうするか、と書いていきなさい。
指示:となりどうしで、意見交換。
指示:同じ班同士で、見せあって意見交換をします。
指示:発表してください。(挙手)
A(おじいちゃんをなんとか説得する)
B(おじいちゃんをほっておいて、きけんだから逃げる)
Aさんのように、なんとか説得する、という人。(挙手:多い)
Bさんのように、自分だけでも逃げる、という人。(挙手:2人だけ)
発問:ねえ、Bさん。Aさんたちの考えを、どう思う?
(説得したいけど、もう時間が無いかも)
発問:ねえ、Aさん。Bさんたちの考えを、どう思う?
(一人だけで逃げるわけにはいかない)
説明:じつは、釜石の子は、おじいちゃんに逃げよう、と言って、玄関で靴を履いて、大きな声で「ぼくは逃げるから、きっと来てね」とおじいちゃんに言って、自分だけさっと走って逃げたのです。
説明:でも、それをみて、おじいちゃんがわれにかえって、じゃあそんなに言うなら、一人で行くとあぶない、いっしょに行ってやる、といって、おじいちゃんも靴を履いて、玄関から外に出て、いっしょに逃げてくれたのです。
(安堵のため息)
説明:それで、子どもが逃げると、その姿を見て、大人が逃げる、というケースがこの津波の時、釜石では非常に多かったのだそうです。
11)② あの子なら、きっと
だいじょうぶ。
ちゃんと自分で
安全な場所ににげてる。
説明:次は、お母さんの気持ちになってもらいます。
地震があったのは、まだ学校のある時間帯でした。
あるお母さんは、弟くんを迎えに、さいしょに保育園へ
行きました。でも、道路もゆれて、ブロック塀もこわいし、
余震もあるし、自動車がうまく運転できなくて、時間がかかりました。
保育園で弟くんを抱きかかえて、お母さんは迷ったのです。
このまま小学校へ迎えに行くかどうか。
12)おかあさんはどうしたか。
かろうじて保育園に行った。
そのあと、小学校へは・・・
発問:お母さんは、迎えに行ったでしょうか。
指示:ノートに③と書いて、自分の考えを書きなさい。
指示:となりと相談。
指示:班で相談。
指示:発表どうぞ。
(迎えに行った)
(避難所に行った)
説明:お母さんは、そのまま高い場所に逃げました。
指示:感想をどうぞ。
(なんでだろう)
(津波がくることを知っていたから、仕方がない)
13)「あの子ならきっとだいじょうぶ」
行かなかった。
そのあと、すぐに津波がきた。
もし、小学校へ行っていたら・・・
説明:実は、その子は、いつも、お母さんに言ってたのです。
「ねえ、おかあさん。ぼくは地震のとき、すぐに自分で逃げるからね。お母さんたちは自分で逃げてね」
14)子どもが、
自分の力で
にげてくれたので
多くの人がたすかった。
15)自分の身は自分で守れ、みたいなことをずっと言われていたんで・・・
16)お父さんやお母さんのことを考えないで、自分ひとりでも生き延びろって言われていた
説明:こうやって、一人でも逃げよう、というのを、土地の言葉で
「津波てんでんこ」というのです。
言ってみよう。覚えてね。
(つなみてんでんこ)
津波の時は、家族がてんでんばらばらでもいい。
ともかく逃げろ、という意味です。
17)学校の帰り道でのひなんくんれん
説明:釜石小学校の避難訓練の様子です。
高学年や中学生の子は、年下の子たちの手をひいて、こっちだよ、といって一緒に逃げているのです。
こういうことも、ふだんから、訓練をしていたそうです。
18)つなみと「ふつうのなみ」のちがい~ビデオ映像~
指示:感想をどうぞ。
(ぜんぜん、ちがうものだ)
19)明治29年
(今から116年前)
明治三陸地震では
ほとんど揺れなかったのに、
38mの大津波がきて
死んだ人が20000人いました。
発問:地震が小さかったら、津波は起こらないから安心ですか。
(ちがう)
20)「ここより下に、家を建てるな」
21)旅行先でつなみに
あった、イギリス人。
2004年12月26日
タイで津波!
22)死んだ人が
220000人。
ところがある場所では、
その辺り一帯の人たちが、ぶじにひなんできたのです。
23)スミスさん、小学校4年。
学校の授業で、
「つなみ」を勉強していた。
地震があり、海をみると、
急に、あたりの水が
なくなりはじめていた。
説明:イギリスの女の子です。
イギリスは、地震がとっても少ない国です。
一生の間、ちっとも地震なんて知らないで過ごした、という人だっています。
つなみ、という言葉も、みんなほとんど知りません。
だって、イギリスに津波なんて、ほとんどないからです。
でも、そのイギリスの小学生が、「つなみ」を勉強していたのです。
24)「おかあさん、にげよう!」
お母さんはつなみを
知らなかった。
25)「海の様子がへんだぞ」
でも、かんこう客はにげない。
スミスさんは、お母さんに
地震が大きな波をおこす
ことを説明した。
26)「そうね、あなたが言うなら」
お母さんが逃げようとしてくれた。そしてにげる姿を
見ていたほかの人に、逃げよう、と言ってくれた。
(かしこいお母さんだ)
27)旅行していて、つなみに出会うこともある。
発問:津波から無事に命を守れる人、安心できる人になるために、なにが大事ですか。
(つなみのことをよくしること)
(勇気を出して、自分から一人でも逃げる)
(おうちの人と、つなみの起きる前から、きちんと話しておく)
(どこに逃げるか、場所を相談しておく)
(地震が小さくても、ゆだんしないでにげる)
指示:今日の勉強の感想や、自分でやっていこうと決めたことがあれば、ノートに書きなさい。