叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

ぼくは約束なんてしたくない

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学校で生きていると、これはもう、毎日が修行であり、悟りの毎日。

今日はこんなことがありました。

廊下を歩いていると、

「いいか、約束だからな!」

という男の先生の声が聞こえました。

そして、その先生の向こう側には、男の子がいて、なにやらぶつぶつ文句を云っている様子。

まあ、なにかしでかしたのかもしれません。

男の先生は、

「約束だ!」

と何度か念を押すように、言ってます。


このシーンを見ても、なにやらむくむくと、「何かあるぞ」と思ってしまいます。



わたしは、ソフィーマルソーのような可憐な美女との間になら、なんでもいいからどしどしと約束をとりつけたいと思いますが、学校できく「約束」という言葉は、なんだか身構えてしまいますネ。

子どもを指導する場合の、シメの言葉、というのでしょうか。

飲み会の終わり、鍋の終わりに、

「よし、雑炊かうどんでシメましょう」

という感じで、いわゆる指導の最後に、「いいか、約束だぞ」と使う場合が多いような気がする。

だいたいは、教師側から一方的に取り付ける約束でありますから、叱られている方の男の子は、

「そんな・・・ぼくは約束なんてしたくないし、約束しようともしていないのにな・・・チェッ」

という顔をしております。

この約束、はたして、守られるんでしょうか?



たぶん、これ、意味ないよネ。

だって、片方は、そんな約束したくない、しようとも思わない、守ろうと思っていない、のですから。

守られるわけが、ない。



なので、次にコトが発覚すると、

「なんでまたやったんだ!!前回、約束したではないか!!約束を破りやがって!!」

というふうに、インフレが起こるのです。

わかります? 叱責のインフレ、約束のインフレ、です。

二回目のときは、目の前の事件について叱られるのに加え、約束を守らなかった、ということで二重に叱られるわけです。



悪循環。




これはネ、無理な押しつけだったかな、と、教師側が思っておかないとネ。

子どもの方に、なにかまだ、言いたいことがあるんだよな。

だから、「約束だぞ!!」の声が、強くなってるんだよ。言い聞かすように、大声で言っちゃうんだよナ。先生は、時間が無くて、焦っているんだよね。(ホントは時間はあるんだけども)

こんなときは、丁寧に教えた方がマシ。なにがダメなのか、って、ね。

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