叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

【6年理科】水溶液~酸とアルカリ その3~

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塩酸が強力な、酸性を示す水溶液だということを知った。
塩酸とは、塩化水素が溶けた水溶液だ、ということも教える。
塩化水素は、気体である。
塩酸は、「塩化水素水溶液」ともいいかえることができる。
ただし、塩素水(えんそすい)とよばれる、別の水溶液もあるから、これは区別する必要がある。

前回までの実験で、塩酸はマグネシウムを溶かし、水素を発生させることを学んだ。
次は、さらに別の金属が溶けるかどうか、である。

用意したのは、亜鉛とアルミニウム、である。

1・塩酸にアルミニウムや亜鉛や銅を入れると溶けるだろうか。

塩酸の入った3本の試験管を試験管立てにたて、それぞれにアルミニウム、亜鉛、銅を入れ、それぞれの金属が塩酸に溶けるかどうか、調べた。

アルミニウムと亜鉛は溶けるが、銅は変化が無いように見える。
しかし、細長い銅板の、下半分だけを塩酸につけておくと、なんだか色がきれいになったっぽく見える。
つまり、塩酸で、銅が溶けるところまではいかないけれども、なんだかサビのような黒ズミは、きれいに落ちるのである。

このことから、金属の中には、塩酸でも溶けない金属があること、そして、その金属の表面のさびやよごれは「その金属そのもの」ではないことから、さびやよごれは溶ける場合があることを説明する。


さて、ここから、酸の世界をとびこえて、アルカリの世界に入る。
ここまでで、子どもたちはかなり、「酸のはたらき」については、自信を持ち始めている。


2・この水溶液が酸の水溶液であるかどうか、どのようにしらべたらいいだろうか。

目の前に、白い顆粒の水酸化ナトリウムを見せる。
そして、それを水に溶かしてみせる。
すると、とけて透明になる。
これは、水酸化ナトリウムの水溶液であるが、子どもたちには、名称もなにも教えない。

子どもたちは、なんだろうか、と怪しむが、これまでの実験の経験から、あれこれと判断できることに気付く。

リトマス試験紙でしらべます」
「ものが溶けるかどうか、しらべます」


など。

そこで、青色リトマス紙をとりだし、つけてみる。
しかし、反応が無い。
色の変化がないから、なんだか拍子抜け、である。

子どもたちが迷いはじめたところで、実は、と赤色のリトマス紙をとりだす。

「ここに、別の種類のリトマス紙があります。色は最初、赤色です」

水溶液につけると、なんと、青く変わる。
ここで、酸性ではない水溶液であること、そしてこれをアルカリ性水溶液とよぶことを教える。

さらに、中性、とよばれる水溶液もあることを教える。
用意するのは、食塩や砂糖水である。
中性の水溶液は、青色も赤色も、変化しない。



ここで、リトマス紙を子どもたちに大事に1枚ずつ、配る。
ビニール袋に入れて、手でぜったいに触らないようにさせる。

3・宿題を出す。

「おうちに帰ったら、おうちの人といっしょに、台所にあるものをあれこれと見てみなさい。そして、水溶液のようなものがあったら、たのんで少しもらい、そこにリトマス紙をつけてごらんなさい。何につけたらどうなったのか、予想と結果を書いてきなさい」

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台所の洗剤や、シャンプー。
CMでやってる、『弱酸性ビオレ』が本当に酸性か。
お母さんの化粧品はどうか、おじいちゃんの呑んでる養命酒はどうか。
子どもたちは、ありとあらゆる『水溶液』に、挑戦していく。
なかにはもったいないから、もらった1枚のリトマス紙を細かくして、4種類ほど試した子もいる。

なかにはやっぱり、雨水や雪につける子もいる。
今年の雨水は、ほとんど変わらなかったので、その子は

「雨水は中性でした」

と報告をした。