叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

教育技術・授業あれこれ

縄文時代の学習は、たったの1時間のみ!

. 6年生の担任になって、一番ざんねんなのは、 社会の授業であります。 縄文時代の授業は、公には、 たったの1時間程度しか、予定されていません。 なんてこった! 縄文フリークのわたしが、たったの1時間しか、授業できないなんて!! わたしは、大急ぎ…

「イタイイタイ病」という、ネーミングの重要性

. 5年生の学習で、もっとも印象に残った単元は何か、というと、 うちのクラスでは、 社会科の『公害』だという子が多かった。 水俣の、悲惨な「伝染病差別」について調べたら、図書室の資料が凄すぎて、相当にショックだったようだ。 また、イタイイタイ病…

「先生、原発事故は公害なの?」

. 5年生の社会科で、「公害」について学習している。 ところで、現在子どもたちが使っている教科書ができたのは、2011年よりも以前のこと。 だから、当然放射能の事故など、ちっとも触れられていないわけです。 学習の中心は、「水俣」。 〇「有機水銀…

【道徳】修身の詩って難しいな

. 日本ノ国ニ 明カルイタノシイ春ガ来マシタ 日本ハ、春夏秋冬ノナガメノ 美シイ国デス 山ヤ川ヤ海ノ キレイナ国デス コノヨイ国ニ、私タチハ生マレマシタ オトウサンモ オカアサンモ、 コノ国ニオ生マレニナリマシタ オジイサンモ オバアサンモ、 コノ国ニ…

【5年社会・くらしと情報】コメンテーターを演ずる

. 常識から外れている、というので、小学校の先生なんかは特に非難される側に立つ。 「世間知らずだからね」 というのは、やはり教員がよくさらされてしまう非難の言葉であります。 私なども、どちらかというとそう言われてしまい、なるほど、世間を勉強しな…

【6年生社会】歴史をどう教えるか

. もうすぐ3学期だ。 いつも6年生の担任になる時に考えるのは、歴史をどう教えるかってこと。 歴史、人気がないんだよね。 一部、戦国時代の好きな、戦国武将の好きな子たちはいるのだけど。 歴史の好きな子って、それほど、多くない。 で、動機が薄いわけ…

【社会科5年】China の国との結びつき

. 次の資料は、中国と日本の結びつきを示すもの。 「中国から日本に輸入されてくる食品の量について。平成18年の調理冷凍食品輸入高に占める中国からの輸入の割合は、金額ベースで約58.0%(812億1千万円)、数量ベースで約63.6%(20万634トン)だそうです。…

【社会科5年】新聞の見出しで印象操作されちゃうね

. 教科書に、ある新聞記事の見出しが載っている。 「中国産ギョーザで10人 食中毒」 2008年の2月に起きた事件の新聞が、小さく載っている。 5年生の社会科の教科書。 「食の安全を考える」というページだ。 これみて、どう? ときくと、 「もう、中…

【社会科5年】食糧自給率のこと

. カロリーベース 39% マネー(生産額)ベース 65% これが、自給率の平成25年データ。 子どもたちと、資料をみながら、意見を出し合う。 わたしは、へえ、よく知ってるねえ、という気分でもって、 「なになに?へえ、なるほど」 と言っていることが…

【小学生の心理学】嫌いと好き

. 「クラスに、嫌いな子がいる」・・・という子、いるよね。 何かにつけて、その 「嫌いなあの子」 が気になっている。 どうして、嫌いな人のことを、ずっと、頭の中で考えるようになるのか? 嫌いなのに、どうして脳内を、その人の姿が、何度もくりかえし、…

【小学生の心理学】なんで嫌いな子のことが気になるのか

. 嫌いな子のことが、気になって、気になって、仕方がない。 喧嘩した時のことが、心の重荷になって、仕方がない。 どうやら、そうしたものらしい。 無理もない。 それが、人間なのだ。 だから、この「人間らしさ」を知ることで、本当に人間らしい、とはどう…

【小学生の心理学】見たい、知りたい、心の動き

. 「道徳」が教科になるという。 道徳で、どうしてもやりたいことがある。 それは、小学生の心理学、である。 子どもは、大人と違って、それほど混乱していないために、心を見ることができるように思う。 透きとおった泉の水を、ちょんとつついた波紋のよう…

【怒りを科学する】道徳授業で怒りを調べる その2

. さっきまで仲の良かった友だちと喧嘩して、今はもう、憎さでいっぱいになっている。 大好きなはずのお母さんが、夜寝る頃になると、宿題のことやなんかを、グチグチ言うから、憎くてたまらなくなる。 不思議だねえ、憎くなるなんて。 仲の良い、大好きな友…

【怒りを科学する】道徳授業で「怒り」を科学する

. 道徳の授業で、「怒り」を科学していこうとしている。 すると、なんで腹が立つのか、と考えることになる。 子どもたちは、 「そんなの、あいつのせいだし・・・」、という。 〇〇くんのせいで、ぼくは腹が立った、という。 だいたい、みんなこの程度。 こ…

NHK「かぶん」ブログがおもしろい!

. NHKにはお世話になっている。 小学校とNHKは兄弟のようなものだ。NHKの教材のきめ細やかさ、配慮ある放送内容には定評がある。 今、5年生で電磁石の学習をしているが、大型の電磁石装置の映像はなかなか探しても見られるものではない。 ところが、きちん…

古代文明への興味<統治者のいない社会>

. なにげなく、ボーッとしてテレビ見てたら、 NHKで、メキシコのピラミッドの特集をしていた。 南米メキシコのやつは、面白い。 なんだかちょっと、石の階段が目立つ感じ。 最近、メキシコ・ピラミッドの地下に、「冥界」を表す地下室がみつかり、話題をさら…

「想定と想定外の間をさぐる」授業

御嶽山の噴火。 先日、写真を撮るチャンスがあった。 今回の災害から、子どもたちは学ぶべきことがたくさんある。 写真を撮りながら、 「想定と想定外の間をさぐる」授業の構想を立てた。 <想定外>をなくすためには、ありとあらゆる<想定>をしておかなけ…

TPPについて小学生が討論をすると・・・

. 5年生は、「日本の農業」で、食料自給率を学ぶ。 もちろん、TPPが焦点になる。 下手をすると、TPPで食料自給率はうんと下がるかもしれない。 いろんな問題が叫ばれている。さて、どう考えるか。 うちのクラスでは、TPPの推進派と拒否派に分かれて討論させ…

山積する教育問題をタダで解決する、たったひとつの方法

. それは、 『叱らない』 ということ。 正確には、叱らない、ということだけで解決するのではなくて、 叱らない、ということがやれるだけの、さまざまな準備をする過程で、 問題が解消していく。

道徳の授業中に・・・人生の大切なもの

. 今年になって、初めて、『道徳』の教科書が配布された。(以下、下ネタ注意) これまでは、道徳というのは教科として教える内容ではなく、人格全般を扱うものだから、子どもの学校生活全般をみとりながら、生活や人間関係を営む中で、その子その子に応じた…

国際的な学習到達度調査(PISA)で日本上位

. たまにはまじめに、教育関係のニュースを。 ご存知でしたか? 2012年に、国際学力調査というものがあり、日本はほとんどトップになりました。 ほとんど、というのは、上位に、 シンガポール 上海 香港 という国だか都市だか分からない地域が入っているから…

・・・ちゅうことになっている(情報リテラシーの授業)

. テレビ局は、「中立の立場」をとることに、なっている。 この、・・・ということになっている、というところが、情報リテラシーの肝心かなめの部分。 実は、・・・ということになっている、(けれども、そうなっていないこともある)、ということが、情報…

算数の難題について

. 算数は、1学年につき、大体、全部で12くらいの単元がある。 1学期ごとに、3,4つくらいの単元をこなすのが普通です。 さて、7月1日、今日でまた、1つの単元が終わりましたので、わたしは単元のテストを実施しました。 テストを実施したあと、1日…

「哲学教室」みたいな感じで・・・

. 哲学教室・・・らしきことをやってみた。 命題は、 「わたしはロボットではない」 これは、自分が精巧なロボットではない、ということを、証明して見せろ、というものである。 結論を言うと、これは、証明はできない。 つまり、 「ない」 ことは、 「証明…

授業科目に「哲学」を!

. 「哲学を教科に!」を合言葉に、全国の小学校教師らが、授業科目に「哲学」を加えることをめざして活動を続けている。 全国の小学校教師らがつくる<哲学教育と小学校教師の会>は26日、琵琶湖のほとりにあるカフェレストランにて全国集会を開き、「正し…

「絵」を描こうとすると描けないの。

. 図工の時間、桜の絵を描きました。 ちょっとしたコンテかパスで、小作品を、と考えた。 描き始めたんだけど・・・ しばらくして、あまり進んでいない子がいたので、なんとなく近くで 「どう」 と言ってみると、 冒頭の言葉を言ったわけ。 「わたし、絵を描…

「給食残飯グランプリ」 の後は 「無言の清掃選手権」

前回の記事、「給食残飯グランプリ」につづく、 自己成果中毒 のお話。 教室で生きるのには、何が必要か、ということを考えている。 何をするにしても、そのことを通して、「何を得て、何を失っているか」、ということに着眼する。 すると、たとえば、毎日そ…

「給食残飯グランプリ!」

最近、尋常でない仕事量に忙殺され、体調管理が思うようにできていない。 寝ても寝ても、疲れの取れない感じがつづく。 朝、駅のホームで電車を待ちながら、その場にへたりこみたくなるくらい。 そこで、嫁様に愚痴をこぼすと、 「なぜ体調が悪いのか、なー…

変わる美術館・変わる博物館

フランスの美術館には、子どもが毎日のように通ってくる。 日本で言うと、地域に根差した、図書館のように。 美術館なんて、辛気臭い、わけがわからない、静かにしていなきゃならない、というので、子どもからは敬遠される場所だと思う。 しかし、さすがはフ…

素話の魔力

素話のおもしろさ 1)道具が要らない。 2)用意が要らない。 3)自在に長さを調節できる。 4)自在に物語を変更できる。 5)子どもの目を見て話ができる。 いくつかあるけど、すばなし(素話)のよい点は、上記にあると思う。 とくに思うのは、5番。 …