子どもが先生や学校の世話をしてるハナシ
ずいぶん昔のことですが、学校で、「給食残飯グランプリ」というのがありました。
給食で、おかずやご飯が、残ります。
すると、その残滓の量をはかるんです。
お昼の放送で、
「今月、残滓の少なかったクラスは6年1組でした!おめでとうございます!」
いや、食べ残しが少ないのは、あっぱれなことです。
それは、それで、「素晴らしい」。
しかし・・・。
これ、おかずを残すと、担任の先生が叱るのです。
そして、缶をカラにすると、めちゃくちゃ褒められる。
すると。
今度は、そのことが、子どもたちの一番の関心事になってきます。
6年生ともなれば、知恵がまわるので、
残滓を巧妙に処分して、何食わぬ顔。
食缶をすっかり空にしてから、給食室に返してます。
給食室の先生から、
「さすが6年生、空っぽだね!!えらい!!」
なんて、言われて・・・。
(実は担任にナイショで、階段下のトイレに流してます)
つまり、食缶を空にするのが、目的化しちゃう。
子どもたちなりの、保身術なのだね。
でないと、先生たちの機嫌が悪くなるから。
残滓の多いクラスも発表されます。
すると、つらいですよ・・・。
ただ、放送で、
「◯年◯組は、もっと食べ残しを減らすようにしましょう」
と、言われるだけですが、
なんだか、全校にさらし者にでもなったみたいで、いやなものですよ。
放送を聞いて、いちばん、いや〜な顔をするのは、もちろん担任の先生。
子どもたち、その顔を見て、
「やべえ」と。
残さず食べるのは良いことだ。
そこまでは、分かる。
みんなの体が元気な証拠だもの。
だが、しかし。
つぎに、 「良いことだから、やれ」となるところが、ヘン。
上からかぶせていく感じが、ヘン。
アメとムチで、経営をしていると、
子どもたちはどうしても、逆の視点で動くようになります。
本当はその気もないことなのに、
〇〇しないと、先生の機嫌が悪くなる、
〇〇していかないと、先生が困る(おかしくなる)、
〇〇していかないと、学校全体として、まずいみたい。
と考えて、
「まあ、仕方がない。このシステムにつきあうか・・・」
これ、子どもが先生や学校の世話をしてるのですナ。