叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

ガクアジサイを図工で描く




図工。
ガクアジサイを描く。


そもそもは、1学期の最後あたり、図工は何をしようか、と話していたことが発端でした。
職員室で、隣に座っている同じ学年の先生と相談し、

「なにか、パッとできて、それなりの作品に仕上がるようなことをしたいですね」

ということで、いろいろと考えたのであります。

そこで、思いついたのが「絵葉書」。
これなら、短時間でできて、それなりに仕上がる。
季節の雰囲気を出すのにも、いい。
春から夏へと、季節がはっきりと変わり、それを実感するプールの時間もはじまるし・・・。

そこで、たまたま中庭に咲きかけていたアジサイを描こうかな、と。

ところが、西洋アジサイと思い込んでいたアジサイが、咲き始めてみると、ガクアジサイであったことが判明したのであります。

ガクアジサイは、描いたことが無い。

アジサイといえば、西洋アジサイしか描いたことがない私にとって、ガクアジサイは描く対象にはならないのです。なぜなら、形が複雑で、なんとも描きにくいからで、西洋アジサイなら同じような花弁をまんべんなく、画用紙に展開していけばいいのにくらべ、ガクアジサイの方は部分が分かれ、真ん中の小さな花弁の部分は、非常に難しいからなのであります。


ガクアジサイ



でも、これをやらざるをえないわけがある。
どうしてか。
それは、ガクアジサイと思わない時期に、廊下を子どもたちと歩くたびに、

「あ、アジサイだね。まだ咲かないけれど、咲いたらみんなで絵に描こうね」

と何度も繰り返して、インプットを積み重ね、子どもたちも心から楽しみにしていた様子があるのです。これだけ事前準備というかお膳立てというか、下準備を前々から積み重ねておいて、

「あ!!!しまった。ふつうの西洋アジサイかと思いきや、ガクアジサイでありましたな。うわっはっは。むずかしいから描くのは中止です」

とは、言えなくなってしまった。


それで、2年生でも描ける方策を考え始めたが・・・

まあ、なにも考えず、

「ほら!白い画用紙をあげようね。さ、みんなで好き勝手に描いてごらん!ガクアジサイ!よおく、見るんだよ。」

と突き放してもいいのだが、それだとまあ、あまり楽しい授業にはならない。(と思う)

それで、先生はこう描きました、というのを子どもたちに見せてやろうと思い、こんなふうに描くことにした。

1)藍色の色画用紙を用意する。
2)そこに、白いクレパスでもって、ガクアジサイの外側の、額の部分の花弁を描く。
3)中央部分に向けて、白い線を短く伸ばす。(中央部分は、空間をあけておく。)
4)中央部分に、黄緑のクレパスで、てん、てん、を描く。
5)中央部分、黄緑のてん、てん、の周囲をとりまくように、水色のクレパスで、てん、てんを。
6)中央部分、水色のてん、てん、や、黄緑のてん、てん、の上に、100円ショップで購入した、ラメ入りの銀色ボンドをうすーく、たらして、のばす。
7)外花弁の白いクレパスの中に、クレパスの白線を踏み越えないように、しずかに青、薄赤紫、青紫、赤紫などの色を、絵具でつくり、筆の先でたらしこむ。(塗る)
8)花弁の下に、茎をのばす。これも、白いクレパスで。
9)その周囲に、これまた白いクレパスで、葉を描く。
10)葉の内部に、緑や黄緑の絵具をたらしこみ、塗る。
11)少し乾かし、かわいた葉の上に、緑や黄緑のクレパスで、葉脈を描く。
12)完成。

2時間、かかりますね。でも、2時間で、完成します。
そんなに絵具も要りません。
完成した子から、どんどんと壁に貼りつけていきます。