叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

茶色いカマキリと、緑のカマキリと


2年生というのは、やはり、小さな生き物に対しての興味が相当に強いのだろうか。

ふりかえってみると、自分だって2年生のころは、そうだった。おたまじゃくしだの、かまきりだの、えびだの、さわがにだの・・・。ともかくつかまえられるだけの生き物をかごに入れ、縁側の下で飼っていたものだ。

母親があきれたような顔をしているのも面白かったし、姉から
「どれどれ?」
と興味をもってもらえるのもうれしかった。

朝、早い時間に家族の中で自分だけ早く起きるのが楽しかった。そして、縁側にねそべって、下の飼育箱をいくつも眺めるのがおもしろい。早朝の静かな世界の影で、それぞれの箱の中で、自分の子分がせいいっぱい生きているのがかわいくて仕方なかった。



さて、学級でひょんなことから、カマキリを飼いはじめた。
そして、昼休みにはカマキリのえさをさがすのが流行。
えさは、糸トンボ。
それがまた、学校の庭だというのに、よく飛んでいるのだ。

周囲は田園地帯だから、トンボが豊富。
カマキリは幸せだろう。


子どもの勢いにおされて、こんなことになってしまったが、おされながらもうれしかった。子どものパワーを感じたからだ。
こっちはとぼけて、

「えさは何を食べるの?」
とか、きいていればよい。
勝手にしらべて、とんぼ、とんぼ、とつかまえにいく。

名前は、かまちゃん、だそうだ。
それも、クラスで共通の認識になってしまった。

網もひとつしかないのに、けんかもない。
だれかが網をもって前庭に出ていくと、
それを見た子たちは、

「○○ちゃん、えさ、よろしくね!」

と声をかけている。

こういうことで、とっさに教師は想像をしてしまっている。

「○○ちゃんばっかり、網を使って、わたしに使わせてくれない!」
とか、
「勝手にかまちゃんだとか名前をつけてしまった!」
だとか、
言い合いになりそうなものなのに・・・

けんかにならないのは・・・

なんでかねえ。