叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

やることが分からない子はストレスを感じて過ごす

保育園のとき、いちいち微細な行動にこだわっていた子がいました。泣いたらてこでも動かず、どうして泣いているのかも分からないので、保育士さん泣かせと言われた子です。小学校にあがったら全く愚図らず、はりきって行動するようになり、お母様がとても驚いていました。

小学校は、スケジュールが表に貼ってあり、ぜんぶそれで動きます。分かりやすいのです !!
何をしたらいいか、何に気を付けたらいいのか。
朝の会、給食、休み時間・・・、毎日毎日、きまったパターンで暮らします。マンネリズムという言葉がありますが、そのマンネリズムが実は心地よく、ストレスがないのです。幼い1年生にとって、マンネリズムこそが助けになるのです。

言葉を変えると、幼い子どもにとって、「習慣化」することは、生きるためのスキルなのです。
社会から自分に求められる行動を「習慣化」しながら、身体に馴染ませ、繰り返し覚えこませて、徐々にストレスなくやれるように消化していくのでしょう。

こう考えると、学校でイベントの続く、9月から11月の秋の時期というのは、子どもにとって苦痛なシーズンです。なぜなら、運動会や音楽会、遠足、学習発表会と、いつものスケジュールにはない、特別なイベントがたくさんあるからです。いつもの朝の過ごし方ではダメで、その日だけ特別に視聴覚室で練習だとか、校庭等でいつもとはちがう動きをしなければなりません。「こわだり」傾向の強い子にとっては、かなりのハードルです。この子たちの受けるストレスを最小に抑えるために、担任はできるだけ、「やる事柄」を単純化します。そして、パッと見て分かりやすいヒントを作って見せてあげます。

同じように、帰宅後の家での過ごし方も、単純でシンプル、「習慣化」しやすい暮らしのスケジュールを用意してあげればストレスが少なくなることでしょう。

ゲームばかりやっている子をみると心配になりますが、ゲームそのものが悪いわけではないですよね。

ゲームの代わりになる行動パターンを用意し、子どもがそれを心地よい、と感じるまで、毎日毎日繰りかえすのです。時間と熱意が要ります。

ある日気が付くとゲームではない事柄で「習慣化」形成がされていることでしょう。子どもは「習慣化」を望んでいるので、ゲームを望んでいるのではないからです。やることが決まっていないことが不安なのです。(子育て広報誌・掲載記事より「新間草海・子育ての理」)