叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

見せてくれない!

相談がありました。

ひどく落ち込んでイライラしたKさん。


ある子が、オレンジ色の紙を持ってきて、

「○○ちゃんには、見せてあげない」


と、わざわざ言いに来たらしい。


その子は、紙の、おもて側だけを見せて、

「これ、Kちゃんにはぜったい見せない。だから見ないでね」

と言った。



Kちゃんは、そのとき、まったく関係ない絵本を読んでいた。

しかしそんなふうに言われると、気になってくる。

いったい、なにが書いてあるのだろう。


すると、その子は、さらにこんなことも言った。

「見ていいのは、FちゃんとAちゃんと・・・だけ。」

そして、今から、Fちゃんに見せるのだ、と言って、どこかに行ってしまった。


なんとまあ、露骨な。(というか変化球というか・・・)

子どもの世界には、こんなこともあるのだ。



ただ、こういうとき、私は決して、その子を叱ることはしない。

言われた方の、Kちゃんのケアをする。

それに徹する。



Kちゃんは、寂しがっている。
嫌われたのではないか、なにかマズイことをしたのか、
何か理由があるなら、教えてほしい。

しかし、それ以上に、

そんなふうに言ってほしくない。
わたしだけ見せない、という「仲間はずれ」にしてほしくない。

そこで、見せない、という子を呼んで、


・「別にKちゃんがきらいなわけではない」
・「Kちゃんにいやなことをされたわけではない」
・「仲間外れにしよう、という気なのではない」


ということを確認する。

Kちゃんは、

「仲間外れにされた気分だった。もうそういうことを言ってほしくない」


とその子に伝える。


で、ここからが肝心で、


オレンジの紙を

「Kちゃんに見せないまま」

この話は終わるわけ。



別に、Kちゃんは、それで構わない、という気持ちでいる。
仲間はずれ、という心配が解消すれば、それで、OKなわけ。

これ以上は、踏み込みません。




え、叱らないの?


ソーなんです。



紙を見せてくれない