叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

地元・岡崎から<富士山>をめざす

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私が現在勤務している、地元の岡崎から、ちょいと足をのばして、

富士山を見に行ってきました!

岡崎からは高速道路が便利です。
東名も、新東名も、両方市内を通っていますしね!


富士山は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が2013年6月26日に世界遺産に登録しました。
小学校でも、富士山を題材に、授業をすることがあります!
歴史的側面、地理的側面、芸術的側面など、知的な面白ネタが豊富です。

わたしは、葛飾北斎安藤広重など、芸術面から授業をしたことがあります。
あとは、竹取物語を5年生の国語で習うので、そこで富士山を紹介しました。

帝(みかど)は、かぐや姫から薬をもらいます。それは、「不老不死」の薬でした。
だから、不死(ふじ)山ですね。
かぐや姫が月に帰った今、惜別の念にかられた帝は、それを日本で一番高い山の上で燃やすように命じます。
家来たちは富士山に登り、頂上の噴火口に薬を投じました。
こんな伝説がある、ということは、富士山はその当時、まだ、活火山だったのでしょうか。

こうして、富士は、(不死)の山、になりました。



ところで、9月1日は、防災の日

富士山は火山でありますから、当然、噴火、という自然現象と災害についても教えるべきだと考えます。
山ってのは、噴火するものだ、ということを、教えるべきです。
鹿児島や熊本、箱根周辺の子なんかは、「そんなの、当り前だろ!」というでしょうけど・・・。

噴火ってのは、すごい。
なぜなら、地面が、熱をもっていることや、火を噴く、ということですから、衝撃がでかい。
1年生にその話をしたら、

「ぜったいウソだ」

と、頭から否定して、ずっと馬鹿にしていた子がいましたから・・・。

「そんなことあるわけないよネ。先生のうそつき!」


恐竜の絵本に、火山が噴火するものがあるでしょう。
「おまえ、うまそうだな」というやつ。
それを見せたら、

「これは大昔でしょう。今はもう、そんな火なんて吹き出てこない」

と言っていました。

こちらも意地になって、噴火の動画を見せたら、「おお!」だって。
しばらくの間、固まってた。
人は、1年生の6歳時点で「噴火」を知ると、なかなかに謙虚な育ちをしますな。
地面が盛り上がってくるということや、火を噴きだす、ということを、知っていると、なんだかスゴイです。
これはもう、息をのむほどの情けなさを、身に沁みて感じるからかもね。
現の人間社会なんて、チッポケやなあ~、ということを。


というわけで、富士山は火山ですから、痕跡がたくさん残されております。
山中湖、河口湖、西湖、精進湖本栖湖を総称して富士五湖といいますが、もともとあった大きな湖めがけて、火山から溶岩が流れてきて流れ込んだのですって。
その結果、湖の水があふれでて、あたり一帯を、洪水にしたそうであります。湖の底には、縄文時代からの遺跡が残されており、土器やらなにやら、今でもいっぱい出てくるそうな。

そして、有名な、「青木ケ原樹海」
豊かな森林ですが、森の下には貞観噴火(864~866年)の溶岩が固まっているのです。だから、木は地中に根を下ろすことができず、地表をはっている。半分立ち上がったような、妙な緊張した姿勢の杉の木なんかが見られます。どっしりと、根が張ってないから。
つまり、「樹海は若い森」なのです。
比べてみれば、樹海のすぐそばにある大室山の落葉広葉樹林は約3000年だそうですが、一方の樹海の方は針葉樹林になって、せいぜい数百年しかたっていません。貞観噴火の前、樹海一帯は大森林でした。溶岩流が森を焼き尽くした後、コケが生え、草が根付き、低木が茂り、徐々に針葉樹林になっていったのです・・・。


すごいよね。
森を焼き尽くし、湖にどっと流れ込む、赤いマグマの流れ。



えれえ、もんだ。

山は、生きているんだど・・・。


こういう、スケールのデカイ話を、たまに、やった方がいいね。


こんな授業の後、しばらくの間は、
小さな人間関係のごたごたが少ない、という気がするよ・・・。

フジさんだろう