叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

先生、椅子の高さが・・・

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1年生や2年生、低学年を担当したことの多い先生は、さすがだな、と思うことが多い。

だいたい、言葉数が少ないし、話すことに要領を得ないことが多いから、先生があれこれと気を回して、子どもの状態をキャッチしようとする。すなわち、アンテナがむちゃくちゃ高い。

すると、

「先生、おなかいたい」

というたった8文字に、おそらく文章化すると8000字くらいの内容が詰まっていることを見抜くわけ。

さすがだな、と思う。


先日、私のクラス、

「先生、椅子の高さを変えてほしい」

と言ってきた子がいた。

で、椅子の高さを変えてあげました。

すると、

「おお、よくなった~」

といって喜んでる。

これ、高さを変えるの、わざわざ子どもの見ている前で、やってあげる。

工具をもち、眼鏡レンチをまわして、ボルトとナットを外して、このくらいの高さかなあ~、とか言いながら、子どもとしゃべりながら、あれこれと時間をかけて、やってあげる。

これ、子どもが見ていない時にサッとやってしまっては、ダメですよ。
かならず、その当人が見ている前、で当人と気軽におしゃべりしながらでないと。

先生と、なにか話したくて、そう言ってきていることが多いから。
そうやってあれこれやっているときに、

「どうよ、〇〇くん、先週サッカーの大会があったんだって?」

なーんて、話をする。それをしながら、レンチをまわしたり、椅子をひっくり返したり、いろいろとやるわけ。
そうすると、いっしょに膝ついて、ナットをくるくる指の先でさわりながら、

「それがさー、キャプテンに選ばれちゃってさー」

なんて、報告してくれるんす。

「でも、キャプテンだと〇〇やらなきゃいけなくてさー・・・」

なーんて。

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こういうこと、低学年の担任をやることで、感性が磨かれてくると思う。
サインなんだ、ということ。子どもは、常に、なにかしらサインを出すものです。

で、なにかが、不安だ、ということが多い。

あるいは、プレッシャーを感じている。

または、なにか、他の人から「言われた」か。




そういう場合、だれがなにを言ってきたか、プレッシャーをかけたのはだれか、そこまで聞く。

すると、実はいちばん不安に苛まされているのは、大体はその当人ではなくて、

「他人に対して細かな文句を云ってくる友だち」

の方である場合が多い。

細かな文句を他人に言う子ほど、なにかしらの不安にかられていたり、びくびくしていたりする。

これを、不安による他人への文句、つまり攻撃的な心配、『Offensive worry』(オフェンシブ・ウォーリー)という。

その友達を見つけ出して、様子を見、

「大丈夫」
「安心してね」

とメッセージをおくるまでが、学校教師の一つの仕事です。