叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

差し入れのケーキが届いた!【なぜ腹が立つか】

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教室に、差し入れが届いた。

手術を終えたJくん。

入院中に届けた手紙のお礼にと、おうちの方が、お菓子を持ってきてくださった。

Jくんも、にこにこ。


「よおっしー!みんなで食べようぜ!!」

ここまでは、盛り上がる。




ところが、具合に悪いことに、お菓子が4種類もある。

すると、みんなの目の色が変わる。

「え、なにとなにがあんの!」

「抹茶と桃と、イチゴと、ふつうのチョコ?あ、これバナナだ」



「えー、おれ、バナナいやだ」

「おれ、イチゴはいいわ。抹茶がいい」

なにがよくて、なにがダメか、好みを発表するみんな。


その後、だれから先にとるか、ということになる。


すると、みんないっせいに

「じゃんけん!」



窓側の席の子と、廊下側の席の子が、こぶしを握り締めて戦います。

「さいしょはグーッ!!じゃんけん・・・」



窓側の子が、チョキを出して、負けました。

すると・・・・



チョキを出した子が、責められます!!!


「なんでチョキ出すんだよ!抹茶が無くなるだろ!!」


案の定、抹茶がなくなり、その子は、桃を取らざるを得ない。


文句が倍増します。

「なんだ、桃かよッ!」


目つきが悪くなり、腹を立てます。


わたしは、おかしくてならず、ついに声を出して、笑ってしまう。

わたしが

ウワッハッハー、と身をよじるようにして笑うので、教室の空気は【確変】します。


女子の数人は、わたしと同じ心境となるようで、笑えてきたみたい。

キャハハハ、と同じようにして笑います。


すると、文句を言っていたMくん、なんだかバツが悪そう。


わたしはあわてて、

「いや、Mくん、Mくんどうぞ!ごめんね、腹立ててもいいから!Mくんを責めてるわけじゃないからね!」

と、フォローをしておきます。

「いい、いい、つづけて・・・!」

わたしはまだ、笑いながら、とにかく必死でフォローします。

これはネ。

腹を立てる、という、とっても面白い状況だよね。


わたしは思わず、近くに居た子たちに、

「なんで腹立ててるか、わかる?」

と聞きます。

すると、

「さー? 抹茶がほしかったから?」

「そう、そうだよね。たぶん」

「抹茶がほしいって、言えばいいのにねえ」

抹茶


ある女の子が、こう、つぶやきました。笑いをこらえながら。

「お菓子貰って、不幸になってる」

これを聞いて、全員が爆笑。

Mくんも、すっかりにやにや。