叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

「えっと、『きちんとお願いする、のワザ』にします」

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「先生!AくんとNくんとRくんが、僕をこちょこちょしてくるんです」

「困っているの?」

「困っています!」

「じゃ、会議!」



こういう、何でもないような、チープな議題で、
会議をする癖をつけていく。
重い課題は、いずれ、かならずやってくる。
その時に、じたばたしないために、いつもいつも、どんな話題でも、

○子どもたちが
○お互いに解決に向けてアイデアを出して
○全員の幸福を「目的」として


話し合うようにしていく。
これは、クラスの雰囲気を、画期的に変えてくれます。
何より、

私たちのクラスは、私たちが主人公!

という当たり前の意識が、きちんと身に付く。
そして、隠された価値観を、自然と理解する。
(つまり、人間関係が最も大事だ、という価値観ね)



さ、というわけで、

会議実行まで、最速5秒程度。



「じゃ、当時の様子を、みんなにヴィジュアルに伝えて!」

「はい!」



Yくん、Aくん、Nくん、Rくんが登場。

Yくんが、他の3人から、こちょこちょされる。

「うひゃひゃははははーッ!」

「すげえ笑ってる!」

「やめて、やめて、やめて!!」

「おもしれー。喜んでるから続けよう」



はい、ストップ!!(カチンコ、と教師用コンパスで合図を送る)



俳優陣、席に着く。




Y君の願いは何?

「こちょこちょを、やめてほしいことです」

それは、伝わった?

「ぜんぜん伝わりませんでした」



はい、アイデア募集!


「転げまわりながらでもいいから、先生に言う」
「やり返す」
「あとで3倍返しだ!と言って脅す」
「新間先生がいなかったんだったら、隣の竹下先生に言う」
「相手に水をかける」
「助けを呼ぶ」
「きちんと言う」



最後の!もう一回、くわしく!


「きちんと、もうこちょこちょはいやだ、といって、別の遊びをやろうって言う」

Yくん、どう?


「えっと、笑い過ぎて声が出なくて、なにか言うってこと自体が、もう無理な状態でした」


はい、別のアイデア募集!


「じゃあ、もうやめて、のポーズをとる」
「首を横に振り続ける」
「オルガンの下に隠れる」
「相手に抱きついて、相手の手を動かないように締め上げる」
「やっぱ、他のクラスから、助けを呼ぶ、じゃないかなあ・・・」



Yくん、どう?


「えっと、一応、ぜんぶやったんだけど・・・」


それでも、やめてくれなかったの?

「はい。でも、呼吸が苦しくなって、笑い過ぎて苦しくなったときは、みんなやめてくれました」


はい、さらに別のアイデア募集!



「じゃあ、やめてくれた瞬間をねらって、もう本当にやめてほしい、ということを言って、別のことをやろうって提案するのがいいのでは?」



Yくん、どう?


「それにします」


じゃ、Yくん、このアイデアに、ネーミングしてください。

「えっと、『きちんとお願いする、のワザ』にします」


あとは、なにかにつけて、このワザを口にして、流行するまでやたらとネタにします。
しばらくすると、子どもたちの口から、友達どうしで、

「それ、きちんとお願いしたら、どう?」

というように、言葉が出てくるようになります。






写真は、煉瓦で組んだ、ロケットストーブ。
簡単に火がつき、スゴイ勢いで燃え続ける。

ロケットストーブ