叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

と・き・の・な・が・れ

. 年末の大掃除。 荷物をひっくり返していると、段ボールの中から、思いもよらぬモノが出てくる。 古い写真やアルバム、手紙、何か記念のつもりだったのだろう、切符や美術館の入場券まで出てきた。 小さな文庫本が、いくつか出てきた。 20歳で大学を辞め…

「なぜするか」と問うか、「それをする良さは何か」と問うか

.来年度の児童会の活動を、勤務校で見直すことになった。 PTAの会議で、 〇子どもたちが、アルミ缶を集めるのは意味があるのですか 〇子どもたちが、ペットボトルの蓋を集めるのは意味があるのですか などと、父兄から意見が出されたからである。 そのご父兄…

読者諸兄は、『超能力』をご存じだろうか?

. 超能力とは何か。 辞書をみると、 人間の知覚以外の力、テレパシー・テレキネシス・テレポーテーションなど、常人にはない力のこと。 とある。 クラスに、超能力者が存在するとしたら、担任はどうしたらよいのだろうか・・・。 わたしは10円玉をもち、ク…

【6年理科】水溶液~酸とアルカリ その3~

. 塩酸が強力な、酸性を示す水溶液だということを知った。 塩酸とは、塩化水素が溶けた水溶液だ、ということも教える。 塩化水素は、気体である。 塩酸は、「塩化水素水溶液」ともいいかえることができる。 ただし、塩素水(えんそすい)とよばれる、別の水…

【6年理科】水溶液~酸とアルカリ その2~

.その1からのつづき。 9・炭酸カルシウムをクエン酸の粉末の上に直接おくと、溶けるだろうか。 「酸のはたらき」によって、カルシウムなどが溶ける場合があることが分かった。 わざと、子どもたちに、こう言う。 「ねえ、クエン酸の水溶液って、クエン酸を…

【6年理科】水溶液~酸とアルカリ~

たのしい実験がつづく。 でんじろうになった気分だ。 「酸性」というのは、酸が水に溶けてできた水溶液があらわす、性質のことであります。 ほんとうはアルカリ、という性質についても、学習していくのですが、はじめは『酸』から。 『酸』、というものにつ…

「せんせー、○○くんが、ちゃんとやっていませーん」

. 「○○くんが、ちゃんとやっていません」 この言葉の、なんとも微妙な、複雑な、なんだろう、この心理って。 ○ちゃんとやらなきゃいけないのに、やっていない。 ○ちゃんとやらないで、一人だけ楽をしている。ずるい。 ○Tくんのせいで、みんなが迷惑する。 ○…

わざわざ言わなくてもいいこと

. あるブログで、おもしろい記事を見つけた。 学校で、わたしが常々、思っていることを書いてくれている気がした。 【わざわざ言わなくてもいいこと・ワタナベ薫】 いくつか、事例があるので、楽しくてならない。 以前、似たようなことを、みんなで考えたこ…

【いいね!】体罰を無くすための講義~日体大~

. 日体大が、体罰をなくすための本気の講義を行った。 遺族からの話を聞きながら、涙を流す受講生たち。 これで日体大出身者を将来の加害者にさせないことができるかもしれない。 わたしはこの取り組みを評価する。 しかし、たった一つ、忘れてはいけないこ…

歴史授業「焼き場に立つ少年」の写真から

. 歴史の授業が、いよいよ佳境に。 太平洋戦争であります。 授業の最初に、この写真を見せました。 しーん。 日本とアメリカや中国が戦争をしました。 この写真は、その戦争が終わったすぐ後に、長崎で撮影されました。 撮ったのは、アメリカ軍のカメラマン…

コミュニケーションの力を育む授業~普通名詞でなんという~

. コミュニケーションの力とは、いったい何か。 何をさして、コミュニケーション、と言っているのか。 ひと言でいうと、「ひとを尊重する」ということ。 それが、できるかどうか、だと思う。 「尊重」という言葉。 この言葉は子どもたちに、響く。 「尊重す…

「事実」と「感想」を分ける授業~ イースター島にはなぜ森林がないのか~

. 〇事実と意見(感想)を分ける という「めあて」がある。 これが、面白い。子どもたちも、目がキラキラしてきて、ずいぶんと盛り上がる。 うちの学校は、国語の教科書は、東京書籍を使っているが、そこに イースター島にはなぜ森林がないのかという、説明…

【孫子の兵法】高学年の先生は楽しい授業をジャンジャンとやるべき

. 戦争の天才、孫子は、こう言ったらしい。 「戦争の原則としては、味方が十倍であれば敵軍を包囲し、五倍であれば敵軍を攻撃し、倍であれば敵軍を分裂させ、等しければ戦い、少なければ退却し、力が及ばなければ隠れる。」これは非常に面白い。 人間関係も…

「耳なし芳一」を知らぬ子どもたち

. 「竹取物語」の概要は、ほとんどの子が知っている。 しかし、よくは知らないようだ。 おそらく、絵本などで簡略化されたお話として、ほんの少し、見聞きして知っている程度なのであろう。 いちばん単純なお話としては、 「かぐや姫が竹から生まれ、大きく…

先生、椅子の高さが・・・

. 1年生や2年生、低学年を担当したことの多い先生は、さすがだな、と思うことが多い。 だいたい、言葉数が少ないし、話すことに要領を得ないことが多いから、先生があれこれと気を回して、子どもの状態をキャッチしようとする。すなわち、アンテナがむちゃ…

「こうやると、うまくいくかもよ」と言ってほしい

. 学校でアンケートを取ります。 だいたい、日本中どこでもとるんじゃないかな。 文科省からも言われているし、アンケートをとるしか、実質的に職員が参考になるものがない。 子どもたちの声を可視化するツールとして、アンケートが使われる。 そこで、最近…

「もっと協力しなさい!!」は、あぶない

. 担任が子どもたちに、 「もっと協力しなさい!」 というときは、ほとんど、うまくいっていないとき。 そんなときは、やることや内容、目標なんかを見直した方がいいように思われる。 子どもは不思議なもので、心の中では協力してる、と思っていることが多…

ごめんなさい、といいなさい

. 「謝る」の価値は、21世紀になって格段に跳ね上がったと思う。 20世紀の終わりごろ、大企業の不正が話題になったことがあった。 雪印の不正、 銀行の不正、 なんやかんやと。 そこで、大企業の偉い人たちが軒並み頭をさげて 「まことに申し訳ありませ…

困ることの病理

. 子どもをみるとき、子どもの機嫌をよく観察します。 毎日、なんとなく機嫌よく過ごし、まあ鼻唄をうたうレベルの子もいますし、なにか眉間にしわが寄って不機嫌な子もいます。 生きていくにはどちらが良いも悪いもなく、どっちでもいいのです。 しかし、不…

ぼくは約束なんてしたくない

. 学校で生きていると、これはもう、毎日が修行であり、悟りの毎日。 今日はこんなことがありました。 廊下を歩いていると、 「いいか、約束だからな!」 という男の先生の声が聞こえました。 そして、その先生の向こう側には、男の子がいて、なにやらぶつぶ…

「自主的に動きなさい!」の意味

. 学校現場では、子どもたちが自主的に活動することを何よりも願う。 「自主的に動けるように」 というのを、どの先生も考えているのだろうと思う。 この自主性、とはいったい何なのか。 わたしはいわゆる「積木崩し」の時代に子どもをやっていたので、いわ…

運が良すぎる件

. 病気らしい病気をせず、元気に毎日働けてあることに感謝をしている日々である。 このように元気になれたのは、玄関に飾ってある蛙の置物のおかげである。 蛙の置物がテレビの前に置いてあるときは、なんだか調子が悪かった。 しかし、その蛙を偶然にも玄関…

愛知県はいいところです

. わたしが通っている勤務校は、愛知県の小学校である。 愛知県では、机を動かすときに、机をつる、という。 これは、他県の方には分からない意味不明の表現だ。 「机を釣る?」 とか、 「机を吊る?」 とか、妙な顔をされて、攻撃される。 そんな日本語は、…

ヒトラーは、いつか、くるのだろうか?

. トランプ大統領となり、世界的にナショナリズム礼賛の動きがありますね。 産経新聞は編集局長が 「トランプでいいじゃないか」 という見出しで文章を書いていました。 いいじゃないか!これからは日本もナショナリズムでいこうや、国民は開き直れ、という…

大坂城の内濠(うちぼり)は豊臣方が埋めた?

. 歴史はたやすく理解したつもりになってはいけないことを、この一年で学んできた。 歴史は、とても論理的に進むのだけれど、しかし、それを論理的にとらえることは、人間にはとても難しい。 だから、歴史は常に修正され続けている。 また、人物や業績に対す…

もしも、幕府が鎖国をしなかったら・・・

. 日本人の海外への渡航が禁止されていた「鎖国」。 (海外で5年過ごした日本人の帰国も禁止された) もしも、秀忠や家光が、「鎖国」をしていなかったら、どうなってただろうか・・・。 当時は、それがもっぱら、日本の行く道、であった。 「この道しかな…

【6年歴史】明治以後の発問一覧

勝海舟 「なぜ幕府の役人が江戸城を明け渡したのか」 西郷隆盛 「なぜ1年半近くも旧幕府軍とたたかったのか」 大久保利通 「大久保は五箇条のご誓文から何をしようと考えたのか」 「なぜ鉄道会社の社員は全員時計を持つように指示されたのか」 「なぜ小学校…

【図工鑑賞】鳥獣戯画~『倒れた蛙』の謎~

. 図工の製作がひとまず終わり、秋のイベントも一息ついたので、まったりと図工の鑑賞。 図工の鑑賞授業は、何度やっても飽きないくらい好きで、子どもも 「またやろう!」 と必ず言ってくれる。 なぜなら、他の教科(とくに算数)とは違って、完全に 「言っ…

NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来(3)巨大格差 その果てに

.【番組の説明】近代資本主義250年の歴史の中で、現在は格差が最も広がっていると言われる。巨大格差の先には、何が待っているのか。元米国労働長官のロバート・ライシュ氏や、“世界一貧しい大統領”と呼ばれたホセ・ムヒカ氏ら知の巨人たちに話を聞く。 …

人間の良さ、をどう表現するか

. 世の中一般に、『黒い黒熊』、などという言い方は、あまりしない。 黒いのが当たり前だから、あえてそんな修飾語を使わないのである。 もし、白い黒熊がいるのだとしたら、あえて黒い黒熊、というときがあるかもしれないが。 (・・・と、ここまで書いて、…