叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

好きなワケを言いなさい 「ンなもん、あるかい」

雪でグランドのコンディションが悪い。
さらに、朝晩に冷えるから、でこぼこの状態で、カチンコチンに固まっている。

こんな状態でさえ、Sくん、サッカーをやるんだ、という。

「なんでそんなに、サッカー好きなん?」

S 「わからん」





Yくんはおとなしい子。
家でもおとなしく、一人でぬいぐるみなんかで遊ぶらしい。

そのYくん、絵が好きで、とくに「あざらし」がお気に入り。
図工でも、粘土でも、かならず、Yくんの作品には、「あざらし」が登場する。

「Yくん、なんで、そんなにあざらしばっかり描くん?」

Y 「えー、なんでか、わからんな」





Eちゃんは、紫色が好き。
鉛筆も、筆箱も、紫色のを使っている。
とくに、紫の中でも、「うすいむらさき」が好きらしい。

先日も、卒業間近の6年生にメッセージを書くので、色紙をえらんだけど、Eちゃんはにこにこ顔で、

うすむらさき色

のを、選んでおりました。

「Eちゃん、Eちゃんはなんでか、うすむらさきが好きなんだねえ」

E 「うん。なんでかしらんけど、好きになったの」

「いつ頃から、好きになったの?」

E 「幼稚園の年長さんのときに、好きになった」

「へえ、なんでだろうね。なにかきっかけがあったんだろうねえ」

E 「ううん、ちがうよ。 いつの間にか、好きになったの」





1年生、きちんとこたえようとしてくれるのが、イイ。





子どもの世界は、これで、成り立っているのですが、オトナはそうはいかない。




理由を言いなさい!理由を!!

ちゃんと、ワケがあんでしょう!!ワケを説明してもらおうじゃないの!?



という感じですよね?!



だから、結婚相手を選ぶ時も、


「うーん、なんだか好きなの」


じゃダメで、




「だめよ、のん子ったら。ちゃんと彼を選んだ理由を言いなさいよ!なんかあるでしょう」

「それが、なんだか、知らないけど、好きなの」

「はぐらかさないでよ!!のん子だけ、ずるいよ。やっぱ、仕事だよね、彼が銀行マンだから?いいわよねえ」

「いやあ、そんな理由じゃない気もするし・・・」

「うそー!!じゃ、顔?うーん、顔、正直、微妙な気もするけど、まあまあかもね」

「いやあ、そんな理由じゃない気もするし・・・」

「もう!のん子ったら!!ちゃんと言いなさいよ!じれったいわね!!」








ワケは、ありません。

ワケを聞いたって、そんなもの、ありません。



1年生は、「ワケも無く」 

さまざまなことを、好きになるのであります。



ワケがないと、不安になるのは、オトナだけです。

オトナは、やっかいだね。困ったり、不安になったり・・・。



大人は、子どもに、聞いたほうがいいよな。


「先生、どうやったら、困ったり不安になったりしないで、幸福になれるんでしょうか」


ってね。

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