叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

「子ども」とは

先生、ねむい。

. Aさんが、授業中、少し、寝てた。 「先生、Aちゃん、寝てる」 Aさんにきくと、 先生、ねむい。 というので、全員で10分寝ることにした。 「カーテンしめて!」 「ヒャッホー!」 「電気けそう!!」 寝よう、と言っただけで、このハイテンション。 もう…

休み時間がいちばん楽しい

. くやしいけれど、どんな楽しい授業をしたって、休み時間にはかなわない、という気がする。 休み時間は、子どもが息を抜ける時間。 教室には、ほとんどの子がいなくなる。 残るのは、たったの2、3人。 その2、3人は、読みかけの本を夢中で読んでいたり…

きりの良いところまで、やり遂げなさい!

. お母さんたちも、なんだか 「子どものことで困る」 ことを、母親の責務であるかのように、考えているのではないか、と思います。 わたしが過去、かつて思っていたのと、同じように。 わたしも、教員というのは、 「子どものことで困ったり、心配してあげる…

結局は学校、仲間、先生が好きかどうか

. 忘れ物がなくなるのは、わたしはたいへんに嬉しい。 「自分で必要なものが分かるようになったね」 「自分できちんと、準備ができるようになったね」 「道具を忘れないと、やりやすいね」 「道具があると、便利だし、よく分かるね」 「よかったね!みんな、…

怒声罵声はなぜ発生するか

. 運動会が近くなると、校庭に罵声がとぶようになる。 なぜか。 不安だからだ。 ピラミッドが完成せず、観客から 「あ~・・・」 と言われるのが怖いのだ。 だから、罵声や怒声をひびかせ、子どもたちを有無を言わさずコントロールしよう、となる。 教師は、…

本当の元気とみかけの元気

. よく、「元気な子」と言われる子がいます。 しょっ中、大声で騒いでる。 朝読書の時間も、隣の子になんやかんや、と話している。 そうじの時間も、ほうきをふりまわしながら、 友だちにちょっかいばかりかけている。 一方で・・・ 1年生の入学式で、拍手…

叱らないと決めたら・・・その2

. あまりの効果の高さに、わたしは驚愕し、これはいったいどういうことか、と解析にやっきとなった。 もしかすると、これまで大人が子どもを叱っていたのは、 ただ単に。 きちんと教えてなかったからではないか。 これは、もしそうだとすると、あまりにも巨…

叱らないと決めたら、教えることだらけ

. 叱らない、ということは、これは大変なことだ、とだんだん分かってきた。 子どもたちが、次の動きややることについて、きちんと分かっていないといけないからである。 分かっていないと、すぐに叱られてしまう。(他の先生に) そこで、前もって、十分に伝…

子どもにとっての『適温』

. 幼い頃、おじいさん、おばあさんを観察していると、 ぬるい感じ がしていた。 シュッとして、チャンとして、カチっとしているのが、自分のママなのだとしたら、 祖父や祖母の家にいくと、なんとなく感じる、「ぬるさ」。 そうじ機も、自分の住む家の掃除機…

日本人は緊張している

. わたしは、虫の名前を、教えない。 学習指導要領に、すべての昆虫の正しい名称を教える、というのがあれば、教えるだろうが・・・。 見たことも無い毛虫の名前を、 「タケカレハ」 と教えるのではなく、 「ナンジャコレハ」 としか、言わない。 あなたなら…

「耳なし芳一」を知らぬ子どもたち

. 「竹取物語」の概要は、ほとんどの子が知っている。 しかし、よくは知らないようだ。 おそらく、絵本などで簡略化されたお話として、ほんの少し、見聞きして知っている程度なのであろう。 いちばん単純なお話としては、 「かぐや姫が竹から生まれ、大きく…

「こうやると、うまくいくかもよ」と言ってほしい

. 学校でアンケートを取ります。 だいたい、日本中どこでもとるんじゃないかな。 文科省からも言われているし、アンケートをとるしか、実質的に職員が参考になるものがない。 子どもたちの声を可視化するツールとして、アンケートが使われる。 そこで、最近…

ぼくは約束なんてしたくない

. 学校で生きていると、これはもう、毎日が修行であり、悟りの毎日。 今日はこんなことがありました。 廊下を歩いていると、 「いいか、約束だからな!」 という男の先生の声が聞こえました。 そして、その先生の向こう側には、男の子がいて、なにやらぶつぶ…

虫とネコばかり追いかけている子

. Rさんはネコを飼っています。 日記は、ネコのことだらけ。 赤ちゃん猫をもらってから、ずっと毎日ネコを追いかけている様子です。 夏休みも、自由研究を提出。 模造紙3枚びっしりとネコの体重やらなにやら、データをとりまくっておりました。 「ネコと会…

雲(くも)をあやつる少年

. 2年生の校舎に行く、石廊下のとちゅうで、少年が立ってた。 わたしはバケツの水を運んでいたので、 「ごめんね~うしろ通るよ~」 と後ろを通ろうとしたら、その少年が乳歯の抜けた顔をにやつかせながら振り向いて、 「先生、雲が消えたよ!」 と空を指し…

教室でカエルを飼う

. 教室で、カエルを飼っております。 成り行きで。 責任者は、女の子です。 ダンスの大好きな。 ダンスの大会にも出ちゃうような。 ポニーテールをなびかせて、自転車こいでパンを買いに行っちゃうような雰囲気の子です。 で、カエルが大好きだそうです。 ケ…

これまでの人生でいちばん驚いたこと

. 帰りの会で、スピーチをします。 人生でいちばんびっくりした出来事。 Aくん。 「はるな愛がオネエだと知ったこと」 テレビを見ていて、ある日の家族の会話で、オネエが話題になり、 高校生の兄が「はるなが・・・」と話した。 まさかあの、はるな、だと…

蝶の標本づくり

. 4年生の男の子たちに、いきなり学校中で声をかけられるようになった。 それは、 「あの先生は、昆虫の先生らしいぞ」 という噂がひろがったためだと思われる。 出勤前の朝。 他の教師がめったに顔を出すことのない、学校裏の雑木林に行くと、ひょっこりと…

ろくむし、かかし、ポコペン・・・

. わたしは、学校がきらいな子どもでした。 なにせ、学校までが遠い! 3キロ半はあったと思います。 1年生の時に、1時間10分かかっていた。 2年生になったら、1時間ジャストで帰ってこれた。 両親が 「歩くのが速くなった」 と、喜んでくれたくらいで…

スプラトゥーンが結ぶ縁

. どのクラスにも、愛嬌ある、小さなマスコットのような男の子がいるものだ。 失敗しても、へっちゃら。 周りのみんなが笑っても、いっしょになって自分のことを笑っちゃう。 堂々として、思ったことを言う。 誰かれとなく話しかけ、好かれている。 で、つい…

給食に命をかける女子

. クラスには個性があふれている。 一人の女子。 2時間目の休み時間になると、だれもがみんな、その子に声をかける。 「ねえねえ、Aちゃん、・・・」 「Aちゃん、わたしにも・・・」 男子までが声をかける。 「なあ、A、たのむよ・・・」 「Aが言ってた…

平成の子も、ミステリーで盛り上がる!?

. UFOといえば、矢追純一。 ミステリーサークルやCIAにつかまった宇宙人の写真など、思えば昭和の子どもたちは、それがどうにも嘘くさいと分かっていながら、きちんとその、「大人の遊び」に付き合ったものだった。 水曜スペシャルの「探検隊」シリー…

先生の言う通りは、つまんないな、と感じる心

. 学習発表会で、教師が一番たのしいのは、 「え、この子たち、こんなこと考えたのか!」 ということ。 高学年になるほど、自分の意見のオリジナリティーを出そうとします。 そこが、面白い。 「先生、ここまで考えたんだから、ぜひやらせて!」 これこそが…

みんな同じのわけが、ない。

. もし、こんな感じ方を持っているとしたら、という話。 日本の子どもたちについて。 「みんな、同じような顔をして、同じような服を着て、同じような考え方で、同じような態度でいる」 と、思っている人がいたとしたら。 どうしてそのように自分は思ってい…

「子どもは他人と同じだと喜ぶ」という件

. これだけ「個性尊重」が叫ばれているのにも関わらず、である。 子どもと暮らしていると、彼らがいかに、 「他と同じであることを尊ぶか」、誰しも驚くであろう。 そろそろ席替え、というコールがあがってきたので、じゃ、席替えしましょう、と。 みんなで…

「テレビが見られんけど、別にいい」

. 給食のときには、リラックスモード。 ふだん見ているテレビ番組のことや、ゲームのことなどが話題になります。 男子の声は・・・大きいなぁ。 ゲラゲラ笑ってる。 芸能人のことを、いろいろと批評している。 お笑いの人について、あれこれと。 女子は・・…

人生の方から、やってくる。

. 子どもも、大人も、いっしょ。 人生は、等しく、同じようにある。 同じスピードで、同じように、時はきざまれていく。 子どもが花を愛し、歩いているネコに興味を持つ。 大人も同じ。 てんとう虫がいたら、 「あ、テントウムシ!」と言うし、 うまい常夜鍋…

このままではまずい、について

. 「このままではまずいと思うので、頑張りたい」 日記には、その子の思っていることの一部が見え隠れする。 単純に、がんばって〇〇できるようになりたい、ではないのです。 このままではまずいと思うので が気になる。 今の社会は、『がんばって克服するの…

子育てのコツの中のコツ

. これは子育てのコツの中のコツ。 人間社会では、どうしても年下がひいきされます。それが人情です。 大人が「かわいい」と思って関心を持ち、つきあってやり、話を聞いてやるとき、優先されがちなのは年下の子の方です。 まあ、それが当然で、人はもっとも…

小5の夏は・・・

. たまたま名古屋まで所用で出かけた。 名古屋駅前はいつも通りで、直射日光と湿度がアスファルトを異様なまでに蒸すため陽炎がたち、10m先を歩く人の後ろ姿が、揺らめいて見える。 多治見市ではついに40度を超えたらしく、名古屋でもできるだけ日陰を…