叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

「困る」に、とことん付き合うパターンもある。

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「困る」に、とことん付き合うパターンもある。

ことが緊急性を帯びていない場合で、子どもの様子をみて、いける場合は、
のんびり付き合う、ということも多い。
解決しなければならないとか、手を打たないといけない、という風でもない場合のことです。


席替えで文句を言う子がいる。

「先生、この席じゃ、いや」



彼は、困っている。

「困っているの?」

「うん」



その席では、勉強する気になれない、という。

「なんで困っているの?」

「○○くんの近くじゃないと、やる気にならない」


「あらま」




「とりあえず、どうしたいのかって、ある?」

「○○くんの近くになりたい」

「なれない今の状況で、取り急ぎ、どうしたいって、ある?」

「ない」

「じゃ、しょうがないか」

「え~」

「どうしたいの」

「え~」

「ま、何か考え付くといいけどねえ」

「考え付かないよ。席を変えたいよ」

「席変えたいんだねえ」

「そう」

「なんで席を変えたいんだろうねえ」

「何度も言ってるじゃん!」

「なんで?」

「○○くんの近くがいいんだよ!」

「なんで、○○くんの近くじゃないと、ダメなの?」

「いいから、いいの。なりたいの」

「なんで、今の席じゃだめ?」

「○○くんと、友達だから。仲良しだから」

「○○くんじゃない子だけど、仲良しになれば」

「ならないと思う」

「へえ。ならないの」

「だから席替えしたい」

「なんで、今の席じゃ、いやなのかねえ」

「いやだから、いやなの」

「じゃ、好きになれば?」

「なれない」

「なれないか」

「なれないし、いやだし、席替えしたい」

「あらま」




ほとんどの子に、こういうことがある。

この子は、たまたま、席替えで、表面に噴出しただけ。

みんな、いろいろ、あるよね。




結局、席替えはしないまま、彼は今の席に座り続けています。

で、

毎朝、

心のコップが、満たされているかどうか、私に朝の会で、チェックされている。

「なん点?」

「えー、1点」




1点が続いていたけど、先週の水曜日は、朝の体育館で遊んだのが面白かったので、3点だった。

「おお、今の席でも、3点には上がるのか」

「いや、教室に戻ってきて、この席に座ったら、すぐ1点に減った」

「おお~、惜しい。減っちまったかあ」





隣に座っている子と、話が合わないらしい。

おとなしい女の子だしね。

こっちは、なんでもしゃべるような、やんちゃな男の子だもん。

「先生、俺の話、聞いてもらえないもん」

「いいよ。聞いてもらえなくても、話をしなくったって、それでも平気になれるといいが」

「楽しくないじゃん」

「楽しくなくても、平気」

「平気じゃないよ」





まあ、ぶつくさ言いながら、もう3週間目に突入です。


教師が勝手に、

「何とかしなければならん」、とか、「解決まで持っていかないと」、とか、
黙らせようとか、終わりにしよう、とか、
あまりごちゃごちゃと焦って考えないのが大事、というパターンも多い。


この場合は、

子どもの要求は、

「(先生に)付き合ってほしい」


だから、

「(君の気分に)付き合ってあげる」


だけね。


分かりやすいね。




で、そのうち、なにか、彼とお隣の女の子との間に進展があったら、

にこっ

って、こっちも嬉しそうにしてやろう、と計画中。