叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

中国鶏肉期限切れ・・・小学生が中国に思うこと

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5年生の社会科。

日本は、資源のない国だ。
もっぱら、加工貿易をしている。
石油や天然ガス、鉄鉱石を輸入し、代わりに電気機器や自動車を輸出する。


まあ、こういったことを、教科書で学習する。

ところで、教科書に載っている資料を見ていると、分かることがある。

日本が輸出する相手先は、中国がダントツ、トップであります。
さらに、さまざまなものを輸入する相手先もまた、中国がダントツ、トップであります。

輸入する相手としては、2位のアメリカ、3位のオーストラリアをぐんと引き離して、ダントツであります。
また、輸出も中国が一番のお客さんでありまして、2位のアメリカ、3位の大韓民国とはまったくレベルの違う量であります。


これらを資料から読み取って、感想を書くことになっている。

すると、子どもの中で、こんな感想を書く子がいる。

「中国と日本は仲が悪いのに、こんなに品物を輸入したり輸出したりしていて、本当に仲が悪いのか?」

それを聞いて、

「仲が悪いってどうして?関係が深すぎて、ご近所さんを通り越して、親戚みたいなもんなんだよ」

というと、子どもの中には、

「へえ~」

と目を丸くする子もいる。

なんでかねえ。
意外なんだって。
これまで、いったい何を学習してきたんだ。

最近、マスコミががんばって、消費期限切れの鶏肉うんぬん、というので
中国を叩いていますが・・・その影響かな?




さて。

もう何年も前。今の、鶏肉の消費期限切れ問題が取り沙汰されるより、うんと前、中国との間で、尖閣諸島の領土についてうんぬんしたことがテレビで話題になった年から、さらに勢いよく、この輸出輸入の量は増えていっている。

しかし、考えてみると、
本当に、仲が悪いのだったら、交流が減っていくだろう、輸入も輸出も、減っていくにちがいない。

でも、実際は減っていない。
ますます、増えている。

で、マスコミは、そんなこと、ちっとも報道しない。
消費期限切れがどうのこうの、と。
中国の印象をことさら悪くするニュースを、がんばって流しています。
民間レベルでは、つながりが濃くなっていっているのに、政治の方は遅れているってわけ。
日本と中国、市民同士のつながりの実態を認めたくないのだ。



「まあ、テレビや新聞では、仲が悪いようなことを言うのかもしれないけれど、実際にはお互いが必要で、お互いの間柄は、もう離れられないのではないのかねえ」

ということを私が言うと、

「でも、中国、いやだ~」

と言う子がいる。

こうした頭の先の理解というのは、何が原因なんだろう、と思うね。

なんでいやなの、と聞くと、案の定、

「なんとなく」

だって。

そういうのを、メディアにコントロールされた状態だって言うんだよ、と教えてあげたい。



ちなみに、その後、その子が履いている靴をしらべたら、ちゃんと、

「MADE IN CHINA」

と書いてありましたので、

おお、Sさんは中国に住んでいる、なんとかさんがつくってくれた靴を履いているんだね、というと、

「えー!やだーーーーー!」

と言っておりました。

私は面白くなって、

じゃ、着ている服とか体操服とか、筆箱とかタオルとかハンカチとか、みんな調べてみようよ、というと、

男子がおもしろがって教室中のあらゆるものを調べ始め、

子どもたちの予期に反して、

ほとんどのものが、

「中国製」

だということが分かり、みんな、目の前の中国製品の数にオドロキつつ、観念しておりました。




で、最後に、わたしがタネをばらして、


「でね、中国製って書いてあっても、日本人が工場をつくって、材料も日本から運んでつくった、という製品もあるんだよ」

というと、みんな訳が分からない、という表情。

「それからね、日本製って書いてあっても、材料は中国の物、製品が出来上がる前の途中のところまで、中国で作ってたっていう製品もあるんだよ」

「えー?なんでそんなことするの?」




そこから先は、調べておいで、ということに。

夏休みが、始まりますでねえ。




わたしは、最後に、

「日本は資源が少ない国だ、ということになっているけれど、本当にそうか。
日本にある、いちばんの資源とは何か?」


ということを、投げかけておきました。

一人が、海の水、と即答してましたが、無言で笑っておきました。





この国の資源とは