叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

「テレビが見られんけど、別にいい」

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給食のときには、リラックスモード。
ふだん見ているテレビ番組のことや、ゲームのことなどが話題になります。

男子の声は・・・大きいなぁ。
ゲラゲラ笑ってる。
芸能人のことを、いろいろと批評している。
お笑いの人について、あれこれと。

女子は・・・

6年生だからか?
なんと、痩せる話をしている。
「正月は太るよ」
「いやだー」
「わたし、9月から太った~」



そんなこんなで、なかなか盛り上がる給食時間でありますが・・・

ふだん、なかなか元気が良くて人気もあるFくんが、テレビの話題になるとあまり話さなくなる。

気になってたんだけど・・・



そのFくんが、ある日、日記に書いてきた。

「今、たくさん読書をしています。ハリーポッターを最初の『賢者の石』からもう一度、ぜんぶ読み始めました。学校の図書館だけじゃなくて、土曜日に〇〇公民館で借りることが多いです」

わたしはその返信で、『読書の秋。今の時期は、テレビをちょっと我慢して本を読むのもいいね』、などと書いた。

すると、その、さらなる返信が書いてあり、

「今、お父さんが仕事から早く帰ってきて寝るので、テレビを見ていません」

と書いてあった。

そういえば。

Fくんのお父さんは、今までしていた仕事をやめて、しばらく家におられるということを以前、聞いたことがあった。仕事、というからには、新しい仕事を見つけられたのだろう。







先日、なにかのときに話すことがあって、

「お父さん、一生懸命に働いてらっしゃるんだね」

と話すと、

「夜帰ってきて、すぐに寝るから、居間でテレビを見ないようになった」

「そう。お父さん、お疲れなんだねえ」

と私が言うと、Fくんはちょっとまじめな顔になって、

「けっこう体力使う仕事だから」

と、つぶやくように言った。

わたしは冗談めかして

「先生も年齢(とし)かなー、腰痛いのがずっと続いてるけど・・・」

とか、ちょっとふざけてひとりごちていたら、

「ちょっと寝るのが早すぎるけどネ」

と、Fくん。


「でも、お母さんがテレビ見ないで、いっしょに本を読んでるから。テレビが見られんでも、別にいい」

Fくんの顔を見たら、とても大人の目をしてる。


わたしは、
子どもってのは、親の心を感じようとするんだなあ、

と思ったのでした。

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