叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

【水泳学習】鼻に水が入る件

クラスで水泳の授業をやってみると、背泳ぎはたいへんです。

実際に、鼻に水の入る子もいます。

そうすると、

「先生!!!!ハナにみず、入った!!!」

と叫ぶ子もいるし、

「もうだめだ!」

という子もいる。



たしかに、鼻から水が浸入してきたときの苦しさは、万人共通のもの。
あれは、くるしいですよ。
ゴホッ、ゴホッ、となるし。

それで、溺れそうになる。

つまり、一瞬だけども、身の危険を感じるのです。

そうすると、その恐怖にもうどうしようもなくなって、

「やっぱり、背泳ぎは無理だぁーーーー」


となるのです。



教室に帰ってきてから、いろいろと確認をしました。


もちろん、背泳ぎの呼吸のポイントは、再度復習しておきます。

「(右利きの人は)右手をあげる時に口から吸って、かくときに鼻から吐く」
「鼻から吐くのは水が入らないため」



そのうえで、さらに次のことをみんなで確認する。


〇溺れた人はいない、ということ。

「なんで、溺れなかったの?」

「すぐ、立ったから」


そうです。6年生なので、一番背の低い子であっても、楽に立てます。とくに、今日練習した場所は、いちばん床が浅く作られているエリア。ここなら、溺れる心配はまずないと思っていいでしょう。

〇鼻から水が入ったけど、それで呼吸がとまった人はいなかったこと。

「なんで呼吸がとまらなかったの」

「すぐに口で呼吸したから」


立ち上がって咳をしてそれから口で・・・と、くわしく教えてくれる役者級も、うちのクラスにはいます。

「ははあ、なるほど。ハナから水が入ることがあっても、それで本当に救急車で運ばれたりすることには、なかなかならない。可能性はゼロではないけど・・・ともかく、自分なら大丈夫、と思えるかい?」

「うーん。まあ。大丈夫かな」




つまり、鼻から水が入る、ということと、そのことからくる恐怖について、きちんと向き合って、考えておくのです。

なんで、自分はそのことについて、恐怖を感じるのだろうか。

さらには、なぜ、「背泳ぎはむずかしい。自分には出来そうもないとまで、発展した思いを持つのだろうか。



結局、まあ、命までは大丈夫だろう、ということと、教室で、

右手を空中に出す瞬間に短く吸って、左手が一番高く上がったとき(右手は水中をかいている)に、パッと急いで吐く、というような訓練

を繰り返し、プール学習の時間を熱心にとった結果、あっという間に、上達しました。



「先生、おれ、できるようなったわ」


これが、子ども。

つい先週まで、「ぜったい無理。だって鼻から水が・・・」と、つらい顔で訴えていたのが、まるで嘘のように・・・。


おもろいわー。


いるか