叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

長男長女をひいきせよ~保護者会での語り~


学年最後の、授業参観と保護者懇談会がありました。
そこで、父兄を前に、こんな話をしておきました。

年下は、ただでさえ、注目を得ます。
年上は、不利です。
最初から、勝負に負けています。
それも、かなりの点数差で、途方に暮れるほど負けています。

だから、年上を、はっきりと理屈をつけて、えこひいきしてください。
兄弟の中で、年上に、待遇を良くしておいてください。

「なんで兄ちゃんだけ、ケーキが大きいのか」

と年下が文句を言ったら、

「兄ちゃんだから、大きいのだよ」

と、理屈にならない屁理屈で、対応してください。

下手に

「身体が大きいから」

などというと、

「弟でも、身長が兄を抜かせばいいのか」

などと、余計な詮索をさせてしまいます。

それよりも、

「いつも、兄ちゃんは、お前の心配をしてくれているのだ」
「だから、感謝していくのだ」
「兄ちゃんは大事だ」

と、刷りこむようにおっしゃってくださいな。

そうやっておいて、ようやく、兄や姉も、

「ああ、自分は親に大切にされている」

と思うことができる。

子どもが、いちばん心からほしいとねがう、親からの注目度については、年下が分良く、多くを得ているのです。
だから、そのくらい、やらねばつり合いがとれない。
トントン、にするためにも、

「兄は大事だ!」
「姉は大事だ!」

ということを、ことさらに、あからさまに、これみよがしに、やるべきです。




これは、児童福祉施設の大御所、館長さんがおっしゃっていたことで、わたしが教員になる前、ずっと前に聞いて、心に残っていたこと。

その当時は、

「は?なんで?」

と思っていました。

でも、今年70歳になる館長さんが、わたしとの別れ際に、じっくりと私の目を見て、おっしゃってくださったことであり、なにか、この若者に、プレゼントしておく言葉をかけておこう、という遺志のようなものを感じ取りましたので、当時、メモにとっておきました。


それが、今回の保護者会で役に立ったわけです。

なぜかというと、今の私の担任している子ども、かなりの割合で、長男長女である。
そして、保育園や幼稚園の弟や妹がいる。
来年、1年生として入学してくる弟や妹もいる。

今、2月。
おそらく、今頃、真新しいランドセルか何か、家でぴかぴか光ったりしているんでしょう。
そして、それを見て、家族で話題にしちゃったり、しているんじゃないでしょうか・・・。
あるいは、弟には、新しい靴を買っちゃったり、ネームランドかテプラでもって、弟君のなまえを、何十枚も印字して、テープをやたらと持ち物に貼りつけたり、なんだかんだと、物理的な時間を、弟君のためにかなり費やしているような状況が生まれているんではないかと・・・。



そういう状況で、なんとはなしに、


お母さんが、最近、弟ばかり見ていて、弟のことばっかり考えているようで、わたしはさびしい!!



という態度が、散見されるからであります。

そうしたら、保護者の方も、なんだか、納得されているようでありました。首をひねって、「は?」という顔をされている方も数人おられましたが・・・。


ま、いずれにしても、こういうことも、話題になっていく保護者会というのが、わたしは好きですねえ・・・。