叱らないでも いいですか

「叱らないで、子どもに伝える・通じ合う」 小学校教師、『新間草海』の本音トークです。

教室でカエルを飼う

.
教室で、カエルを飼っております。
成り行きで。



責任者は、女の子です。
ダンスの大好きな。
ダンスの大会にも出ちゃうような。


ポニーテールをなびかせて、自転車こいでパンを買いに行っちゃうような雰囲気の子です。
で、カエルが大好きだそうです。
ケロけろけろっぴを、人生最初のお気に入りサンダルやお気に入りポーチで揃えたらしい。
そこから、カエルの好きな人生がスタート。



アマガエルがいると、手乗りガエルとして、学校まで連れてきちゃう。

今回もってきたのは、トノサマガエルです。
希少種になりつつあるので、できたらそっとしておいてほしい種なのですが、まあ愛知の田舎ですから。そのへんに、トノサマガエルもたくさんいるから、しばらくの間だけ飼うことにした。(地域によっては、もう希少種なので、できたらそっとしておいてください)


で、男子が休み時間にコオロギをもってくると、それを見るまにパクん、と食べる。

男子は、それが面白いらしく、どんどん持ってくる。

「ちょっと男子!!あんまりコオロギ入れないでくれる?コオロギだらけになってくるから」

男子に注文を付けますが、堂々と渡り合い、うまく扱っている。
すばらしいです。

こっそりとわたしに、

「男子がよく働いてくれて、助かります」

と日記に書いて寄こすほどで、彼女は気まぐれな男子にもきちんと交渉し、言いたいことを言い、男子がさぼっても文句を云わず、しかし一方できちんと定期的なカエルへの関わりを注文し、状況をうまく運んでいる。

こういう自然な関わりは、だれも疲れない。
人間、できないものはできないのだし、いびつな「機嫌取り」にもならないし、本当に気が楽で、体も楽で、精神的にも疲れず、くたびれず、体も疲れずくたびれず、無理がない。
できるだけのことをして、飼い続けるのが無理となればやめる覚悟はとうにある。ただカエルのいる間の楽しみと割り切って子どものように(というか子どもだけど)楽しんでいる様がいい。

宮沢賢治雨ニモマケズで、

「ホメラレモセズ、クニモサレズ」

と書いているが、まさにそんな調子。
誉められよう、他に影響を与えよう、という何も無い。
だから、みんなに受け入れられる。
密度の濃い、楽しい時間のワイワイとした活動があり、乾いて白けた空気は一切ないのです。



買いかぶりすぎなのかなあ。


・・・と思いつつ、それでもう、半年すぎました。
やっぱ、この子のもっている素の、素質というか素直さというか、『素』でしょうね。
苦労しないで、生きていける力がある。
これが、未来をひらく力だよ。次の時代を輝かせるのは、こういう力を持つ子だよ。


カエル